Webユーザーが写真を検索したり、警察官が映像から容疑者を捜したりする時、その背後では、画像の内容を理解するソフトウェアが稼働して、人間を助けている。スタートアップ企業リカージョン・ファーマシューティカルのクリス・ギブソンCEOは、同じソフトウェアが既存の医薬品の治療対象外の病気の治療法を見つけるのにも役立つという。
「ロボット工学とマシン・ビジョンを組み合わせることで、何百もの病気の治療薬の発見に同時に取り組めます。しかも少人数で大々的にです」とギブソンCEOはいう。リカージョン・ファーマシューティカルは従業員数40人のスタートアップ企業だ。
リカージョンはソフトウェアでハイスループット・スクリーニング(HTS)の結果を読み取り、細胞内の医薬品テストを自動化している。HTSそのものに目新しさはないが、リカージョンはアルゴリズムを使って極めて詳細に細胞を調べている。リカージョンのソフトウェアは、たとえば細胞核の大きさや形、あるいは細胞内区画間の距離など、細胞にある膨大な数の特徴を測定する。
ソルトレイクにあるリカージョンの研究所では自動顕微鏡が画像認識ソフトウェアに画像を提供することで、毎週、膨大な数の遺伝性疾患の細胞の画像を精査している。リカージョンがテストする2000以上の化合物のどれかひとつによって、病気の細胞をより健康的な細胞の姿に近づけられるのか、その徴候が表れるのをソフトウェアは見守っているのだ。
リカージョンはすでに15の有望な希少疾患(米国内の罹患者 …