米国の連邦議会議員9人が、グーグルで人工知能(AI)倫理チームの共同リーダーを務めていたティムニット・ゲブルの解雇を巡る状況について説明を求める書簡を同社に送った。イベット・クラーク下院議員とロン・ワイデン上院議員が主導し、エリザベス・ウォーレンとコリー・ブッカーの各上院議員の共同署名も入ったこの書簡は、議会がテック大手をどう精査し、将来的な規制についてどう考えているかについて重要なメッセージを送るものだ。
https://twitter.com/RepYvetteClarke/status/1339297358815834113
AI倫理分野を主導する存在であり、グーグルの少数の黒人女性社員の1人でもあるゲブルは12月2日に、ある研究論文を巡る対立が長引いた後、突然解雇された。この論文には、大量のテキストデータで訓練した大規模なAI言語モデルのリスクが詳細に記されていた。大規模なAI言語モデルはグーグルの研究の中核をなしており、同社の収益源であるグーグル検索をはじめとする多様な製品のエンジンとなっている。
書簡は、MITテクノロジーレビューの記事を引用した上で、「大規模な言語モデルにバイアス(偏り)が生じる可能性」「AI研究に対する企業の影響力が増していること」「グーグルに多様性が欠如していること」という3つの問題を取り上げている。そしてグーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)に対して、それぞれの問題に対処していくための具体的な計画や、現在の研究審査の方針、ゲブルの退社について現在進められている調査の詳細を尋ねている(ニュースサイトであるアクシオス(Axios)が最初に公表した社 …