KADOKAWA Technology Review
×
【1/31東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
英国、ファイザーの新型コロナワクチンの接種を開始
Associated Press
A UK woman aged 90 was the first in the world to receive the Pfizer vaccine today

英国、ファイザーの新型コロナワクチンの接種を開始

英国は12月8日、介護施設職員と80歳以上の高齢者を優先対象とする、ファイザー/バイオンテック製新型コロナワクチンの接種を開始した。 by Charlotte Jee2020.12.14

12月8日、英国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が開始された。英国はファイザーとバイオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの供給を、承認から1週間足らずで大規模に開始した最初の先進国となった。ワクチン接種の優先的対象者は介護施設職員と80歳以上の高齢者とされており、 90歳の女性マーガレット・キーナンがコベントリー大学病院で、臨床試験外では初の接種を受けた。英国はファイザー/バイオンテック製ワクチンを4000万回分発注しており、人口の約3分の1にあたる2000万人が接種を受けられる。英国政府は12月中に計400万回分のワクチンを調達できると見込んでいる。英国ではCOVID-19による死者数が欧州最多を記録しており、6万人以上が亡くなっている。また、規制当局は現在、アストラゼネカ(AstraZeneca)とオックスフォード大学が共同開発したCOVID-19ワクチン候補についても、緊急使用の許可を検討している。

ファイザー/バイオンテック製ワクチンは特殊な冷蔵装置を使用して-70 °Cで保管しなければならないことから、接種のプロセスは複雑なものとなっている。ワクチンは975回分が1箱として供給され、現時点では小分けにできないほか、各個人が3週間の間をあけて2回ずつ接種しなければならない。こうした事情から、ファイザー/バイオンテック製ワクチンの接種は当初、全国の医療機関50カ所で実施されている。

米国食品医薬品局(FDA)のワクチン諮問委員会は、12月10日、ファイザー/バイオンテック製ワクチンの緊急使用の許可を支持した。FDAはモデルナ(Moderna)製のワクチンについても、17日までに緊急使用の可否を決定する。中国とロシアはすでにワクチン接種を開始している。

人気の記事ランキング
  1. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  2. OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
  3. 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る