2020年の大統領選挙における敗北を、陰謀論をあおって覆そうと試みたトランプ大統領の計画は、ジョー・バイデン候補が僅差で勝利した、ウィスコンシン、アリゾナ、ペンシルバニア、ミシガン、ネバダ、ジョージアの6つの州を対象にしたものだった。現在、この6つの州のすべてが、開票結果の公式な認定を済ませている。トランプ大統領の圧力による再集計によって、バイデン候補の得票数が逆に増えたことすらあった。
開票結果の確認と相関して、選挙に関するデマも減少している。だがメディア情報企業のジグナル・ラボ(Zignal Labs)によると、不正関連の主張は減ってはいるものの、すっかり消えてしまったわけではない。それどころか、いまだに広く共有されている状態だ。ジグナル・ラボが収集したソーシャルメディア、放送、従来型メディア、オンライン・サイトのデータベースには、不正選挙の訴えに関する言及が11月末から12月始めの7日間で190万件以上記録されている。さらに、右翼の大物や、ランド・ポール上院議員のツイートに見られるような政治家のツイートは、今でも数万件単位でシェアされている。次に、何が起こるのだろうか?
デマは消えない
「こうした社会的混乱が収まることはないと思います」とノースカロライナ大学図書館情報学部のフランチェスカ・トリポディ助教授は話す。むしろ、トランプ大統領の選挙を「盗まれた」という主張を信じる有権者は、今後数カ月のうちに「ますます、決意を強めて」行動を起こすだろうと言う。
シンクタンクのウィルソン・センター(Wilson Center)で特別研究員としてデマを研究するニーナ・ヤンコウィッチは、心配すべきなのは、選挙結果に異議を唱えるコンテンツの量だけではないと指摘する。ヤンコウィッチ研究員はむしろ、現在起こっていることが、トランプ大統領支持層の民主主義への見方への長期的な影響を懸念する。「この先長い間、民主主義のプロセスに対する信頼が低下することになるでしょう」とヤンコウィッチ研究員は言う。「こうした言説が永続化されてしまうと、今後トランプ支持者たちが民主的プロセスを信頼することは難しくなるでしょう」。
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