この数日間、ペンシルベニア州やミシガン州などの激戦州の結果が続々と認定されてきている。トランプ大統領は、選挙結果の確定を次々と阻止しようとしたが失敗した。選挙結果の認定は続き、その後選挙人団の投票、次いで議会が公式にその投票結果を承認する(日本版注:12月14日、選挙人団による投票が実施され、バイデン候補の当選が認定された)。
このプロセスは、予定どおりの流れだ。実際のところ、2020年の大統領選挙は多くの点で成功だった。選挙権を持つ成人の65.5%が投票し、大統領選挙としては1900年以来最高という歴史的な投票率になった。その要因は複数あるが、1つには新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミック(世界的な流行)対応の一環である郵便投票の利用拡大が挙げられる。
史上初めて大勢の有権者が簡単に投票できる手段を手にし、歴史は郵便投票を試みる米国民たちがその制度の維持を要求していることを示している。郵便投票は、数十年にわたる独立研究が証明してきたように安全だ。だが、重要なのは安全性だけではない。完全性もまた重要なのだ。
投票方法の拡大
参政権の付与は、選挙の完全性において重要な要素だ。平日の1日、限定されたいくつかの場所で米国民が同時に投票をしなければならないのは最悪であり、投票先を検討する時間や投票方法に最大限の柔軟性があってこそ、有権者にとって最善の状態なのだ。
自動有権者登録や標準化された有権者データベースといった専門家が支持するアイデアは、どれも同じ目標に向かって進んでいる(日本版注:米国では居住地での有権者登録が必要)。すべての選挙権を持つ米国民が、永続的により投票しやすい環境を作ることだ。大半の先進国は、この問題に関して米国よりはるかに先行している。
紙によるトレース
特に接戦の場合、結果をいろいろな角度から照合できることも完全性の向上につながる。これに関して、紙に勝るものは …