アクシオム・スペース(Axiom Space)は、地球周回軌道に乗り、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう初の民間ミッション「Ax-1」に、元米国航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であるマイケル・ロペス=アレグリアと共に参加する3人の民間宇宙飛行士と契約を交わした。
アクシオム・スペースは2020年3月、「完全に民間主導による史上初のISSへの有人宇宙飛行ミッション」を打ち上げる計画を発表した。Ax-1と呼ばれるこのミッションは、スペースX(Space X)の宇宙船である「クルー・ドラゴン(Crew Dragon)」を用いて民間宇宙飛行士をISSに運び、少なくとも8日間ISSに滞在するというものだ。
先月開催された国際宇宙会議(IAC:International Astronautical Congress)で、アクシオム・スペースのマイケル・サフレディーニ最高経営責任者(CEO)は、Ax-1の2021年第4四半期打ち上げを目指していると述べた。
クルー(乗組員)に関する情報は、まだわずかしかない。元NASA宇宙飛行士のマイケル・ロペス=アレグリアがミッションに参加するが、他の3人の宇宙飛行士はまだ発表されていない(編注:イスラエルのルーベン・リブリン大統領の11月16日のツイートにより、元イスラエルの戦闘機パイロットであるエイタン・スティッベが2人目の乗組員であると発表された)。アクシオム・スペースが先週水曜日に投稿した宣伝用の画像には3人の男性のシルエットが写っていることから、女性の宇宙飛行士は搭乗しないようだ。
ツイッターなどでは、ISSでの映画撮影についてNASAと協議している俳優のトム・クルーズと映画監督のダグ・リーマンが搭乗する可能性が興奮気味に噂されている。NASAのジム・ブライデンスタイン長官は6月、アクシオム・スペースが協議に関与していると述べていた。
Ax-1は、映画撮影だけでなく、ISSを民間産業の活動のために開放するというNASAの目標にとって重要な節目のミッションとなるだろう。ISSが2030年までに設計寿命を迎える前に、低地球軌道のさらなる商業化を促すためのプラットフォームとしてISSを使用することにもつながる。アクシオム・スペースは、ISSに接続する居住モジュールを2024年に打ち上げる予定をしている。この居住モジュールの設置を皮切りに、より大規模な民間宇宙ステーションが2020年代の残りを通して建設および組み立てられると考えられている。