トランプ新大統領、ツイッター端末を取りあげられる
ドナルド・トランプは、自分の古い携帯電話を、もっと安全な機器に取り替えるよう強制された。ツイートは、今よりもちょっと面倒になるかもしれない。 by Jamie Condliffe2017.01.22
2017年1月20日、ひとつの時代が終わった。この日ドナルド・トランプは、素早いツイートに使ってきた自身のサムスン製スマホGalaxyを手放すことになったのだ。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事によれば、アメリカ合衆国第45代大統領のトランプは、自分の古い携帯電話を手放し、代わりに「シークレット・サービス認証済みの、関係者しか知らない新番号が割り当てられた、安全で暗号化された機器」の所有者になった。
政府がトランプに支給したのは、恐らくほとんど何もできない端末だ。昨年、バラク・オバマ前大統領はテレビ番組「ザ・トゥナイト・ショー」に出演し、周囲の人が皆iPhone 信者になっていた間、自分は何年にもわたってブラックベリー携帯を持ち続けていたが、ついにスマホを与えられた、と口にした。
しかし、オバマ前大統領に与えられたのは、セキュリティ専門職員によって律儀に機能が削られ、骨抜きにされた「スマートフォン」だ。カメラやショートメッセージの送受信機能、音楽再生機能などなど、スマホの「スマート」な機能のほぼ全部が無効化されていた。「みなさんの3歳のお子さんは、おもちゃの電話を持っていますか? 私が持っている電話は、基本的にはそんなものですよ」とオバマ前大統領は番組で述べた。
新大統領に渡されたのも、恐らく似たような携帯電話だ。前大統領同様、トランプも、あまり嬉しくはないはずだ。大統領選挙での勝利後、側近がニューヨーク・タイムズ紙に語った内容によれば、トランプ大統領は、自分が現在使っている市販の電話機を下取りに出して、シークレット・サービスの基準を満たす機種に買い換えるのが心配だ、と率直に話していたという。
トランプ大統領の心配は、自分の友だちに電話をかけられなくなることかもしれない。だが、トランプ大統領にとってもっとも面倒なのは、ひょっとすると自分の新しい携帯電話からツイートできなくなることかもしれない。とはいえ、心配には及ばない。もし実際にツイッターができなくても、オフィスにいる間@realDonaldTrump のツイッター・アカウントを動かし続けると誓っているのだ。
(関連記事:New York Times, “The Trials of Barack Obama, Gadget Hound,” “オバマ大統領はiPhone禁止 ハイテク化進まない情報機関”)
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- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。