主張:開票トラブルをすべて「不正」扱いするべきではない
新型コロナウイルスのパンデミックに加えて期日前投票がかつてないほど多いことから、一般的なトラブルまでも、敗北した陣営から「不正」と非難される口実に使われる可能性がある。 by Edward Perez2020.11.02
期日前投票のデータによると、2020年の米国大統領選挙の投票率は、すでに多くの州で過去最高を記録している。11月3日の投票終了まであと数日となったが、すでに7000万人以上の有権者が投票を済ませた。
かつてない高さの期日前投票率や、新型コロナウイルス)のパンデミックによって通常の選挙より厄介な要因が増えたことから、選挙管理人に国中の厳しい監視の目が集まっている。選挙の際のいかなるトラブルや異常も、それを口実として、一方の党が悪行を働いたと対立する党から非難の対象になりかねない。
だが、選挙管理当局の誤りがすべて不正の証拠であるとして引き合いに出されれば、有権者の信頼が損なわれてしまう可能性がある。たとえ批判が善意によるものであったとしても、問題を実際よりも大きく見せてしまうかもしれない。
市民が選挙管理人を非常に高い基準で評価すべきなのは確かである。しかし、どんな選挙においても、ヒューマンエラーや技術上の問題点によって問題が起こるというのもまた事実である。今年は特に、選挙管理人や投票所作業員や業者は、通常の問題に加え、パンデミックがもたらした問題についても対処しなければならないのであるからなおさらだ。
選挙当日が近づくにつれ、米国民は、比較的無害な選挙上のミスと、真の不正行為を区別するように気をつける必要がある。技術的なトラブルについては、そのほとんどが前者として説明がつくと考えた方がよい。
選挙におけるトラブルが悪辣な政治的陰謀の証拠だと主張する人がいたら、他の原因についてもちょっと考えてみてほしい。例えば、投票用紙の誤植は、データのエラーや、忙殺された選挙管理人が校正を念入りにしなかったことが原因とも考えられる。投票所に長蛇の列ができるのは、オンライン・チェックイン・システムの帯域幅の問題が原因なのかもしれず、必ずしも有権者を抑圧しようとする意図的な試みによるものではないかもしれない。
確かに、技術的な問題は有権者に悪影響を及ぼす可能性があるし、問題が発生した場合には必ず対処しなければならない。選挙関係者、有権者、メディアは、こうした問題に言及する …
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