KADOKAWA Technology Review
×
大統領選当日に起こること、
分かること、分からないこと
-
カルチャー 無料会員限定
What to expect on Election Day

大統領選当日に起こること、
分かること、分からないこと

11月3日の大統領選当日に何が起こるのか? 何が分かって、何が分からないのか? 専門家たちの見立ては。 by Patrick Howell O'Neill2020.11.03

米国の大統領選挙当日まであと数日となった。これまでに6000万以上の米国民が、期日前投票を済ませている。これは2016年の期日前投票総数4720万を大きく上回る数であり、期日前投票はこれからも増え続けると予測される。

「良いニュースです!」。フロリダ大学のマイケル・マクドナルド教授は述べた。マクドナルド教授は期日前投票を全国的に追跡する「米国選挙プロジェクト(US Election Project)」を率いている。「パンデミック下において、選挙管理人に選挙を実施できる能力があるのかどうかについては、多くの懸念がありました。人々が投票しているだけではなく、より長期間にわたって投票するようになったことで、選挙管理人の仕事量が分散しています」。

米国の選挙に対し、多くの懸念や不確実性、疑念が広まる中(その多くは根拠のないものだが)、連邦政府独立機関の米国選挙支援委員会(Electoral Assistance Commission)のベンジャミン・ホブランド委員長が語ったように「率直に言って、うまくいっている」という事実に目を向けることが重要だ。

だが、選挙当日はどうなるのだろうか? 11月3日以降の数時間、数日、数週間に向け、我々はどのような心構えをする必要があるのだろうか?

「混乱が予想されます」と話すのは、ワシントン大学のケイト・スターバード准教授(危機情報学)だ。スターバード准教授は、「選挙完全性パートナーシップ(EIP:Election Integrity Partnership)」の主任研究員でもある。

「選挙当日は、普段よりずっと早起きをして、コーヒーをたっぷり飲んで1日を始めようと思っています」とオープンソース選挙テクノロジー研究所(Open Source Election Technology Institute)の選挙専門家、エディ・ペレスは言う。「少なくとも24時間は眠れないと覚悟しています。あるいは、もっと長い時間眠れないかもしれません」。

何が起こるのか?

11月3日は、投票所前の長蛇の列で始まるかもしれない。そして、異常なほどの疑念を残して終わるかもしれない。

10月26日、スターバード准教授は、選挙当日の夜とそれ以降に起こり得ると専門家が予測している「疑念と誤報」について報告書を公開した。

米国では選挙のたびに、長い行列や分かりにくい投票用紙、投票機の故障といった問題が発生している。専門家は、今回も発生するこうした問題を撮影した写真や映像が、ソーシャルメディアに大量に投稿されると考えている。だが今回は …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Why handing over total control to AI agents would be a huge mistake 「AIがやりました」 便利すぎるエージェント丸投げが危うい理由
  2. OpenAI has released its first research into how using ChatGPT affects people’s emotional wellbeing チャットGPTとの対話で孤独は深まる? オープンAIとMITが研究
  3. An ancient man’s remains were hacked apart and kept in a garage 切り刻まれた古代人、破壊的発掘から保存重視へと変わる考古学
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る