女性や有色人種の政治家に誹謗中傷が集中、ツイッター分析で判明
女性および有色人種の政治家の発言や行動に言及するツイートには他の政治家に比べて多くの誹謗中傷が含まれることが明らかになった。 by Abby Ohlheiser2020.10.12
ツイッターが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるトランプ大統領の死を願うツイートを削除すると発表した。これに対して、ツイッター上でこれまで嫌がらせや脅しを受けてきた女性や有色人種の政治家などのユーザーが、なぜ大統領にだけ例外的な対応を取るのか、疑問を呈している。
So… you mean to tell us you could‘ve done this the whole time? https://t.co/7OmgEYjWnI
— Alexandria Ocasio-Cortez (@AOC) October 3, 2020
Many of us in Congress (mostly women, including me) have received some of the most vicious, vile, hateful threats on this platform. This is the first time I’ve seen this level of concern from @TwitterComms. https://t.co/ZhI61xXFCi
— Veronica Escobar (@vgescobar) October 3, 2020
こうした中、ロンドンに拠点を置くシンクタンク「戦略対話研究所(Institute for Strategic Dialogue:ISD)」が、ツイッターの怠慢を批判している政治家たちが、実際にネット上で他の政治家よりも多くの攻撃にさらされていることを示すタイムリーなデータを発表した。
ISDの研究チームは、少数の政治家に対するツイッターおよびフェイスブック上でタグ付けされた言及を6月と7月の2週間にわたって収集し、手作業およびAIを介して詳しく調べて中傷的な投稿を特定した。
全体的な傾向として、女性と有色人種がツイッターで中傷される可能性が、男性よりはるかに高いことが明らかになった。フェイスブックでは、女性政治家は男性政治家に比べて平均12%多くの中傷を受けていた。ツイッターでは、男性政治家に対する言及は5~10%が中傷的と見なされたが、同じ期間における女性政治家への言及の15~39%に中傷が含まれていた。
全体的に、女性ははるかに個人的な攻撃を受けていた。男性政治家が主に一般的な言葉による中傷を受ける一方、特にアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員やナンシー・ペロシ下院議員などの女性政治家は極めて個人的かつ性差的な言葉を使って攻撃されていた。
ツイッターを使ったことがあれば、女性や有色人種のグループがはるかに多くの嫌がらせを受けているという事実に驚くことはないだろう。一方、今回の研究は非常に少数の政治家を対象としており、個別の事情を反映している可能性がある。
とはいえ、今回の研究報告は、極めて長期にわたるツイッターの重大な問題の1つを数値化するのに役立つ。民主党の副大統領候補カマラ・ハリス上院議員が、共和党のマイク・ペンス副大統領との討論の準備を進める中、活動家らがボーター・サプレッション(投票妨害抑圧行動)に関する注意を呼びかけている重要な時期だからなおさらだ。
今回の研究結果そのものはさほど目新しくはないかもしれないが、女性や有色人種が長年訴えてきたフェイスブックやツイッター、その他の主要なソーシャルメディア企業に対する主張を裏付けている。ソーシャルメディア企業が中傷的な行為の禁止を強化する方針を打ち出す一方で、特定のユーザーへの持続的かつ組織的な嫌がらせはまだ解決していないのだ。
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- アビー・オルハイザー [Abby Ohlheiser]米国版 デジタル・カルチャー担当上級編集者
- インターネット・カルチャーを中心に取材。前職は、ワシントン・ポスト紙でデジタルライフを取材し、アトランティック・ワイヤー紙でスタッフ・ライター務めた。