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WHOはなぜ考え変えない?
エアロゾル感染専門家に聞く
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This scientist made a Google Doc to educate the public about airborne coronavirus transmission

WHOはなぜ考え変えない?
エアロゾル感染専門家に聞く

新型コロナウイルスがエアロゾル感染することを示す証拠が次々と報告されてきたにもかかわらず、WHOやCDCの公式ガイダンスはほとんど変わっていない。コロラド大学ボルダー校のヒメネス教授らは、身を守る方法に関する最新アドバイスをグーグル・ドキュメントで一般公開している。 by Charlotte Jee2020.10.07

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が空気を媒介として感染する証拠は、何か月にもわたって次々と報告されてきた。しかし、世界保健機関(WHO)と米国疾病予防管理センター(CDC)の公式ガイダンスでは、依然として主な感染経路は飛沫感染だと示されている。実際、CDCは9月に公式Webサイトを変更して、新型コロナウイルスの感染経路として空気媒介伝播(Airborne transmission、一般に「空気感染」とされる)による感染を認めたが、誤って投稿されたものだとして数日後にはその新しいガイダンスを削除した。CNNの質問に対してCDCの広報担当者は「公開する準備ができていませんでした」と回答した。本当にそれだけだろうか?

7月に、239人の専門家有志がWHOに公開書簡を提出し、新型コロナウイルスの空気媒介伝播による感染を認めるように訴えた。その3カ月後、WHOのガイダンスは微妙に変更されたが、それでも空気媒介伝播による感染が限定的な役割を果たすことを示唆するにとどまっている。公開書簡の署名者の1人であるコロラド大学ボルダー校の化学科で20年間エアロゾルを研究してきたホセ・ルイス・ヒメネス教授は、役人の姿勢が変わるのを待つのではなく、自分と周囲の人々を守る方法に関する最新アドバイスを一般市民に向けて直接公開することにした。ヒメネス教授はこの分野の他の9人の専門家から成るグループを招集し、インターネット上で誰でもアクセス可能で、どんな言語にも自動的に翻訳できるグーグル・ドキュメントを作成。マスクのベストプラクティスから飛行機旅行の安全性にいたるまで、エアロゾル感染について知っておくべきことについて総合的なアドバイスを提供している。

このグーグル・ドキュメントを作成した理由と、利用者の反応についてヒメネス教授に話を聞いた。なお、以下のインタビューは、発言の趣旨を明確にするため、要約・編集されている。

※日本版注:本記事の米国版掲載後の10月5日にCDCはガイドラインを更新し、空気媒介伝播によって広がる可能性を一部認めた。

◆◆◆

——なぜこのドキュメントを作成したのですか。

たくさんの人から質問があったので、1カ所にまとめるのが理にかなっていると思いました。そうすれば何度も同じ説明をする必要がなくなりますし、ドキュメントを少しずつ編集して、時間をかけて改善できます。私たち(エアロゾル感染の専門家)は、ツイッターやメールで非常に多くの質問に答えていました。私のもとにはこれまでメールとツイッターで数千件の質問が寄せられています。しかし、答えは同じであることがよくあります。このドキュメントの共著者は、WHO宛ての公開書簡の共著者や、ツイッターで出会った人です。「何度も同じ回答をしなくて済むように、皆で研究をまとめてはどうでしょう?」と提案しました。何人かが同意してくれたので、ドキュメントを設定し、いくつかの質問を書き込み、そして他の人も質問を追加し始めました。そして、役に立つものになったと思った時点で、公開しました。私たちはこのドキュメントを常に更新しています。私たちは事実上、小さなWHOまたは …

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