マイクロソフトによると、2016年の米国大統領選挙で民主党にサイバー攻撃を仕掛けたロシア軍が関与するハッカーが、米国の200以上の組織(政党やシンクタンク、民主・共和両党のコンサルタントなど)を標的としている。ロシアのサイバー諜報活動についてのマイクロソフトの報告は近年、ますます増えている。
マイクロソフトのトム・バート副社長は、11月3日の大統領選挙に向けた最後の数週間で、ロシア人ハッカーが攻撃への関与を隠すために新たな策略やツール、手段を駆使していると9月10日のブログに記した。ロイターが同日報じた内容によると、ロシア人ハッカーの具体的な標的は民主党の大統領候補ジョー・バイデン陣営だったという。バイデン陣営の助言企業、SKDKニッカーボッカー(SKDKnickerbocker)にフィッシング攻撃が仕掛けられたとしている。いずれの攻撃も失敗に終わった。
マイクロソフトが「ストロンチウム(Strontium)」と呼ぶこのロシア人ハッキンググループは、「ファンシーベア(Fancy Bear)」や「APT28」として広く知られ、ロシア軍の情報機関である「グル(GRU)」を拠点に活動していると考えられている。2016年、当時の民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン陣営に対抗して、トランプ陣営に有利に働いたハッキングや情報戦争があ …