KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
「オフィスが恋しい」リモートワーク時代の作業用BGMに異変
Ms Tech | Pixabay
人間とテクノロジー 無料会員限定
The new sound of work-from-home: office noise playlists

「オフィスが恋しい」リモートワーク時代の作業用BGMに異変

新型コロナウイルスのパンデミックに伴う在宅勤務が長引くにつれ、ホワイトカラー労働者の間で、以前はうっとうしいと思われていたオフィスの雑音を聞けるサイトの人気が高まっている。 by Tanya Basu2020.09.13

今年の初め、新型コロナウイルスのパンデミックや都市のロックダウンが始まる前のことだ。音響技術者のステファン・ピジョンに、風変わりな依頼が届いた。オフィスの環境音を再現する気はありませんか? というものだ。

「『いいえ、そんな気はありませんよ!』と答えました」と話すピジョンは、「マイノイズ・ドッドネット(myNoise.net)」のクリエイターの1人だ。マイノイズ・ドットネットは、作業に集中するためのバックグラウンド・ノイズを探す人々の間でカルト的な人気を誇る音源サイトである。 「『妙だな。オフィスの音なんかを聞きたい人はいないだろうに』と当時は思いました」(ピジョン)。

しかし、ピジョンのもとにはその後も同様の要望がいくつも寄せられた。そのこともあって、パンデミックが襲ってくると彼はついに要望に応じて仕事にとりかかった。3月にリリースされた「カーム・オフィス(Calm Office)」はこれまでに25万回以上再生され、マイノイズ・ドットネットで特に人気のあるサウンドの1つとなっている。ユーザーはアニメーション付きのスライダー一式を使って、特定の音響効果の強さや音色を調整できる。 カーム・オフィスに含まれている、キーボードがカチャカチャいう音やファクス機がうなる音、遠くからかすかに聞こえる会話がこれほどの人気を得たことに、ピジョンは未だに当惑している。

安心感

集中力を保ために音を使う人たちはこれまで、激しい雨音、 仏教寺院の鐘の音、鳥のさえずりといった自然の音あるいは心を落ち着かせる音に向かうのが常だった。しかし近年は「ローファイ・チル」をはじめとする「フォーカス・ミュージック」が大人気で、このジャンル専門のユーチューブ・チャンネルがいくつも作られているほどだ。

これらのチャンネルは従来、 仮眠を取りたい、あるいはルームメイトに邪魔されずに勉強に集中したい学生向けに作られたものだ。しかし、パンデミックに伴う隔離生活が始まると、オープンプランのオフィ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. AI’s search for more energy is growing more urgent 生成AIの隠れた代償、激増するデータセンターの環境負荷
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る