フェイスブックの人工知能(AI)ラボである「フェア(FAIR)」は2019年6月、AIエージェントを訓練するための新たなシミュレーション・プラットフォームである「AIハビタット(AI Habitat)」をリリースした。AIハビタットを利用するとエージェントは、家具がしつらえられたアパートやパーティションがたくさんあるオフィスなど、現実世界に近いあるさまざまなバーチャル空間を探索できる。この環境でAIを訓練した後、ロボットに移植すれば、物にぶつかって破損することなく現実世界を動き回れる知性を持てるようになるだろう。
この1年で、フェアは「具現化されたAI」を目指す取り組みを急速に推し進めた。8月21日のブログ投稿で、フェアは新たに3つの画期的な出来事を達成したと報告している。エージェントが経路を探し出す空間の地図をすばやく作成したり読み出したりできるようにする新しいアルゴリズムを2つ開発したことと、エージェントが音を聞く訓練ができるようにAIハビタットに音を追加したことだ。
2つの新アルゴリズムは、フェアが今年1月に実施した研究で作られた。この研究では、不慣れな環境でも地図を使わずに経路を探索できるように、AIハビタット内でエージェントを訓練した。学習の結果、AIエージェントは、奥行きを感知するカメラとGPS、方位データのみを使って、人間と同じように空間に立ち入って、目的地点までの最短経路を探し出せるようになった。間違った方向に進んだり、後戻りしたり、あちこち探索したりすることはない。
2つのアルゴリズムのうち1つは、今では空間の地図も同時に作成できる。これにより、周囲の環境を記憶し、同じ場所に戻ってきた際には、より迅速に経路を探し出せ …
- 人気の記事ランキング
-
- One option for electric vehicle fires? Let them burn. EV電池火災、どう対応?「燃え尽きるまで待つしかない」と専門家
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
- OpenAI just released GPT-4.5 and says it is its biggest and best chat model yet 限界説に挑むオープンAI、最後の非推論モデル「GPT-4.5」
- One option for electric vehicle fires? Let them burn. EV電池火災、どう対応?「燃え尽きるまで待つしかない」と専門家
- Your most important customer may be AI 愛されブランドどう作る? SEOからAI最適化へ、 対応急ぐ企業