KADOKAWA Technology Review
×
FBがバーチャル空間に音声を追加、AIの「耳」も訓練可能に
Facebook AI
人工知能(AI) 無料会員限定
Facebook is training robot assistants to hear as well as see

FBがバーチャル空間に音声を追加、AIの「耳」も訓練可能に

フェイスブックのAIラボは、自ら開発したAIエージェント訓練用バーチャル空間に音を付加する機能を追加した。視覚と聴覚の両方が必要となるタスクをこなせるようにエージェントを訓練できるようになる。 by Karen Hao2020.08.31

フェイスブックの人工知能(AI)ラボである「フェア(FAIR)」は2019年6月、AIエージェントを訓練するための新たなシミュレーション・プラットフォームである「AIハビタット(AI Habitat)」をリリースした。AIハビタットを利用するとエージェントは、家具がしつらえられたアパートやパーティションがたくさんあるオフィスなど、現実世界に近いあるさまざまなバーチャル空間を探索できる。この環境でAIを訓練した後、ロボットに移植すれば、物にぶつかって破損することなく現実世界を動き回れる知性を持てるようになるだろう。

この1年で、フェアは「具現化されたAI」を目指す取り組みを急速に推し進めた。8月21日のブログ投稿で、フェアは新たに3つの画期的な出来事を達成したと報告している。エージェントが経路を探し出す空間の地図をすばやく作成したり読み出したりできるようにする新しいアルゴリズムを2つ開発したことと、エージェントが音を聞く訓練ができるようにAIハビタットに音を追加したことだ。

2つの新アルゴリズムは、フェアが今年1月に実施した研究で作られた。この研究では、不慣れな環境でも地図を使わずに経路を探索できるように、AIハビタット内でエージェントを訓練した。学習の結果、AIエージェントは、奥行きを感知するカメラとGPS、方位データのみを使って、人間と同じように空間に立ち入って、目的地点までの最短経路を探し出せるようになった。間違った方向に進んだり、後戻りしたり、あちこち探索したりすることはない。

2つのアルゴリズムのうち1つは、今では空間の地図も同時に作成できる。これにより、周囲の環境を記憶し、同じ場所に戻ってきた際には、より迅速に経路を探し出せ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Who’s to blame for climate change? It’s surprisingly complicated. CO2排出「責任論」、単一指標では語れない複雑な現実
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る