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新型コロナ、空気感染なら対策見直し必至  「換気」優先に
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If the coronavirus is really airborne, we might be fighting it the wrong way

新型コロナ、空気感染なら対策見直し必至  「換気」優先に

多くの科学者が指摘するように新型コロナウイルスが空気感染するのであれば、現在の対策は不十分かもしれない。物体の表面を何度も消毒することよりも、換気や空気清浄の優先度を高めねばならない可能性がある。 by Neel V. Patel2020.07.16

7月の第2週、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染に関する議論が大きな話題となった。世界各地の200人以上の科学者が、新型コロナウイルスが空気感染する証拠が増えている現状を真剣にとらえるよう世界保健機関(WHO)に促す書簡に署名したのだ。WHOは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が空気感染すると再定義するには至っていないが、「そのような事例を調査し、新型コロナウイルス感染症の感染における意義を評価するためにさらなる調査を緊急に要する」と認めた。

「正直に言って、人々が何を待っているのか理解できません」。米国テュレーン大学の微生物学者であるチャド・ロイ教授はそう語る。「WHOが『空気感染する』と公けに宣言しなくても、私たちは空気感染性の疾患であると評価できます。科学的証拠の観点から、これほど明らかなことはありません」。

このような文脈において「空気感染」の本当の意味合いは何だろうか? それは基本的には大きさの問題だ。新型コロナウイルスが、感染を引き起こす力のあるウイルス粒子を含んだ飛沫で拡散することは間違いない。だが、あるウイルスが空気感染するということが何を意味するかは、どの専門家に話を聞くかで少々異なる。一般的な説明は、距離が離れていても(ひょっとすると部屋が別でも)、「エアロゾル」という小さな粒子の吸入によって感染するというものだ。

「新型コロナウイルスが空気感染するかどうか専門家に尋ねた際、『空気感染性はない。なぜならそのような距離での感染は見られないから』という答えが返ってくるのは、それが理由です」。イリノイ大学の元教授(公衆衛生学)で、現在は企業や団体向けのコンサルティングを手掛けるリサ・ブロソーはそう語る。

「エアロゾル」の定義についても議論がある。空気中でウイルス粒子を運ぶ飛沫にはあらゆる大きさがある。大きな飛沫が床や物体の表面にすぐに落ちるのに対し、直径数マイクロメートル程度小さな飛沫はしばらくの間空気中を漂うのでヒトに吸入される可能性が生じる。「エアロゾル」という言葉は、これらの小さな飛沫の説明に使われることがほとんどだ。だがブロソー元教授は大小に関係なく、空気中に排出されて吸入され得るウイルス粒子をすべて含む「エアロゾル感染」という用語を好んで用いる。

新型コロナウイルスが空気感染するとしても、そのような感染症が他にないわけではない。麻疹(はしか)のウイルスは最長で2時間空気中にとどまることがよく知られているし、結核菌は6時間空気中を浮遊する可能性がある。ブロソー元教授は、新型コロナウイルスのスーパースプレッダー(他の患者よりも大量のウイルスを排出すると見られる患者)が、結核の感染力を思わせるようなパターンでウイルスを広めている可能性を示唆している。

そのような感染が新型コロナウイルスで起こっているという証拠も、ほぼ間違いなく、 …

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