フェイスブック、政治広告の非表示を選択可能に
フェイスブックは、ユーザーが自分のフィードに政治広告を表示させないことを選択可能にすると発表した。 by Charlotte Jee2020.06.18
フェイスブックは、近日中に、ユーザーが政治広告の非表示を選択できるようにすると発表した。少人数のグループからなる米国のユーザーに、フェイスブックやインスタグラムのフィードに候補者や政治活動委員会が投稿する広告を非表示にする権限を与え始める。今後数週間で、すべての米国ユーザーおよびその他数カ国にも拡大していく予定だ。
USAトゥデイ紙の論説の中でフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は、引き続きユーザーに投票を促し、登録有権者を400万人増やしたいと述べた。「フェイスブックは、有色人種を不平等に標的にする有権者の弾圧を防ぐだけでなく、確かな情報に基づく有権者の関わり、登録そして投票率向上を積極的に支援する責任があります」。
フェイスブックは、近年に直面したバイデン候補の大統領選挙戦キャンペーンを含む最大の批判に応えようとしている。その批判とは、フェイスブックが自社のファクトチェック(事実確認)プログラムから政治広告を免除しており、その結果として、政治家に無責任にウソをつく場を与えているとするものだ。だが、ユーザーが広告の非表示を選択できるようになっても、事態は変わらない。
今回のフェイスブックの動きは、もう1つ、オンライン政治広告についての一般的な批判にも取り組んでいない。それは、有権者を地域や年齢、ジェンダーなど個人の情報を細かに分析するマーケティング方法は説明責任が減少し、デマをより速く広めることになるため、民主主義にとって不健全であるということだ。 ソーシャルメディア企業各社は、この件について、それぞれの対応が異なっている。ツイッターは昨年、 政治広告の掲載を禁止した 。ジャック・ドーシー共同創設者兼最高経営責任者(CEO)は、「政治的メッセージは金銭ではなく努力によって伝えるべきだ」と述べている。
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- シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
- 米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。