ノーベル賞受賞者7人と著名な科学者二十数人が、ニューヨークのアンチ・エイジング・サプリ販売会社エリシウム・ヘルスの科学顧問として名前や顔写真を使わせていることが批判されている。
エリシウムは2年前に設立され、月額50ドルでサプリメント「ベイシス(Basis)」を定期販売している。サプリの原材料はマウスに対して延命効果がある。
ベイシスがヒトに効果があることは立証されていないため、エリシウムは正式に「アンチ・エイジング」とは宣伝できない。そこで、普通では考えられない35人(ノーベル賞受賞者を含む)もの科学者が「科学顧問」として名を連ねることが重要なのだろう。実際、科学者は絶大な信用力をエリシウムに与え、偽薬かもしれないサプリの売上を拡大させている、と批評されているのだ。
ジェフリー・フライヤー(元ハーバード大学医学大学院・医学部長)は「顧問の中には自分たちの深い洞察力を買われて依頼されたと考えている人もいるでしょう。そこが笑えるのです。本当の理由は違います。顧問は名前や経歴を使われているだけでエリシウムの広告活動の一部にすぎないのです」という。
何人かのエリシウムの科学顧問は、自分たちの役割をエリシウムや同社のサプリを保証する宣伝だと見るべきではないとコメントした。エリシウムの科学顧問を務めるスタンフォード大学のトーマス・C・スードフ教授(神経生理学、2013年ノーベル生理学・医学賞受賞者)は「科学顧問委員会(SAB)はエリシウム製品を何も推奨していません。当委員会の役割は、エリシウムのサプリの開発および試験に関して助言しています」とメールで回答した。
ビタミン剤や植物エキスなどのサプリメントは処方薬と異なり、規制が緩い。安全である限り、市販でき、特に栄養機能を表示することもない。エリシウムは自社のサプリメント「ベイシス」の栄養機能として「健康を最適化する」や「長期的に細胞を健康に保つようサポートする」などの曖昧な表現を使っているのはそのためだ。
だが、アンチ・エイジングに詳しい人なら、エリシウムのサプリの本当の効果は、(人間ではなく)細胞と動物研究における最新の科学的知見に基づいた延命だとわかるだろう。そのイメージは、多くのバイオテック企業が信頼を置くような大勢の著名人を科学顧問として迎え入れていることによってのみ、強められている。
エリシウムのWebサイトに多くの著名人の顔が並んでいることに疑問を抱いているのはフライヤー元医学部長だけではない。ツイッターでは、何人かの科学者が顧問を辞任するよう圧力をかけている。また12月には科学顧問は利用されているという公開文書が掲載された。
文書には「エリシウムのWebサイトで皆さんを大々的に掲載することで、科学的なきまじめ …