遠距離恋愛の定義も変わる
ロックダウン中の米国で
「ズーム婚活」ブーム
新型コロナウイルスのパンデミックに伴う屋内退避が長引く米国で、ズーム(ZOOM)を利用したマッチング・サービスが話題となっている。退屈さや孤独を感じている独身者が、お互いにどこに住んでいようとも、同じような独り者と出会うことができる。 by Tanya Basu2020.05.11
土曜日のことだった。3時間ほど思わせぶりな会話をしたり一緒にゲームを楽しんだりした後、カチア・アメリは、ロナク・ 「ロー」・トリベディと「婚約」した。そしてそのすべてがズーム(ZOOM)でライブ配信された。
「とても誠実な人だと思ったんです!」とアメリは火曜日に記者に話してくれた。「それに、現実世界で仲良くやっていけるような人だという気がしたんです」。
この2人は、カルト的な人気を誇る米国の恋愛リアリティ番組に触発されて作られた隔離ストリーミング番組「ズーム・バチェロレッテ(Zoom Bachelorette)」に参加したのだ。ズーム・バチェロレッテは、12人の求婚者が3時間にわたり独身者の気を引こうと競い合う番組であり、クラウド・ファンディング・プラットフォーム「ゴーファンドミー( GoFundMe) 」で15ドル以上支払えば、ツイッチ(Twitch)で視聴できる(収益は非営利組織のフィーディング・アメリカ(Feeding America)に寄付される)。
https://twitter.com/ljin18/status/1256804415119388673
土曜日、ズームのバーチャル背景の前に立った求婚者たちは、自家製のピザを作ってみたり、ウイットの才能を披露してみたり、あらゆることをやってみせた。そして最終的にアメリは(両親の意見も参考にしてから)、1人を選んだ。ただ、実際には結婚相手を選ぶなどとは思ってもいなかったという。番組の前にアメリに話を聞いたときは、目標は「ただ楽しむこと」だと語っていた。
アメリとトリヴェディの関係が実際に番組の枠を超えて長続きするかどうかはさておき、2人の出会い方そのものが、新型コロナウイルス危機の最中にデート文化がいかに変化しているかの一例を示している。パンデミック(感染症の世界的な流行)によって昔ながらのスタイルのデートは事実上不可能になったが、3月の屋内退避令の期間中に、今後何が起こるのかを垣間見ることができた。ビデオチャットの増加、居住地による選別の減少、さらには舞台裏のマッチメイカーさえもだ。
「ロックダウン状況下での人間関係は平常とは違ったものになります」。ズーム・バチェロレッテの制作者の1人であるジーン・ヤンは言う。
https://twitter.com/KatiaAmeri/status/1256816807224020993
カリフォルニア州で屋内退避令が発表された直後のことだ。サンフランシスコでは、メイC・ファンが友人の1人から独身かどうか尋ねられ、ズーム・バチェロレッテのもう1人の制作者であるマリア・シェンに紹介したいが興味があるか? と聞かれた。シェンは共同制作者であるヤンとは面識がなかったが、ベンチャー企業でのパートナーとしての仕事で、自由時間に出会い系マッチングの実験をしていた。
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