大学生のアリーバ・イマームが1カ月前に、これから自分が任天堂の「あつまれ どうぶつの森」に夢中になると聞かされたとしても信じなかったに違いない。
23歳のイマームは、「それまでビデオゲームをやったことはありませんでした」という。彼女は現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるう米国で北バージニア州にある両親の家に避難している。「私が知っているゲームは姉がやっていたコンピューター版のマリオカートだけでした。ゲーム機にいろいろな種類があることも知りませんでした」。
しかし先週、家で暇を持て余していたとき、イマームはニンテンドースイッチライトを購入し、1つだけゲームをダウンロードした。それが「どうぶつの森」だった。
https://twitter.com/simamareeba/status/1248500158024704000
「どうぶつの森」の中でプレイヤーは、太鼓腹の不動産屋のタヌキとその甥たちが率いる無人島の開発をしたり、擬人化されたちょっと間抜けな動物たちとのおしゃべりをしたりする。イマームは、このゲームが現実逃避であると同時に、友人と再びつながるための安全な場所でもあると気づいた。「数人の友だちと知り合って、彼らの島を訪ねました。友だち自身を見ているような感じで素敵でした」。「今自分たちに起こっていることについては話しませんからパニックにならずに済みますし、気分をリフレッシュできます」。
このコロナ危機の最中に、デジタル上の島に癒しやつながりを見い出しているのは彼女だけではない。女優のブリー・ラーソンは雑誌エル(ELLE)のインタビューで、自身の「無人島」について語り、モデルのクリッシー・テイゲンはこのゲームに夢中になっていることをツイートした。また、歌手のリル・ナズ・Xは、みんなとつながろうとインスタグラムで呼びかけた。
https://twitter.com/chrissyteigen/status/1245537638569758721
https://www.instagram.com/p/B84w9hNF-Oh/
自宅隔離生活のストレスからバーチャルの世界に逃避できるゲームは「どうぶつの森」だけではない。似たような土地開拓ゲームがある。穏やかで非暴力的なゲーム「スターデュー・バレー(Stardew Valley)」は、手の込んだパンを焼き、パズルを解き、ズーム(Zoom)ハッピーアワーのやり方を学ぶことと並び、新型コロナウイルスによる隔離生活に対処する方法の1つとなっている。
しかし、これらのゲームは単に現実逃避ができる娯楽ではない。社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を取ることが当たり前になる …