KADOKAWA Technology Review
×
期間延長!9/16まで。
【夏割】ひと月あたり1,000円で読み放題
「どうぶつの森」が
社会的距離の時代に
受け入れられた理由
Nintendo
人間とテクノロジー 無料会員限定
Why games like Animal Crossing are the new social media of the coronavirus era

「どうぶつの森」が
社会的距離の時代に
受け入れられた理由

新型コロナウイルスの蔓延で多くの人々が自宅隔離を強いられている現在、「どうぶつの森」のような穏やかなゲームが流行っている。「社会的距離」の時代において、現実から逃避できる娯楽としてだけでなく、他人とつながりたいという基本的な欲求を満たすための安全な手段の1つとなっている。 by Tanya Basu2020.04.21

大学生のアリーバ・イマームが1カ月前に、これから自分が任天堂の「あつまれ どうぶつの森」に夢中になると聞かされたとしても信じなかったに違いない。

23歳のイマームは、「それまでビデオゲームをやったことはありませんでした」という。彼女は現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるう米国で北バージニア州にある両親の家に避難している。「私が知っているゲームは姉がやっていたコンピューター版のマリオカートだけでした。ゲーム機にいろいろな種類があることも知りませんでした」。

しかし先週、家で暇を持て余していたとき、イマームはニンテンドースイッチライトを購入し、1つだけゲームをダウンロードした。それが「どうぶつの森」だった。

https://twitter.com/simamareeba/status/1248500158024704000

「どうぶつの森」の中でプレイヤーは、太鼓腹の不動産屋のタヌキとその甥たちが率いる無人島の開発をしたり、擬人化されたちょっと間抜けな動物たちとのおしゃべりをしたりする。イマームは、このゲームが現実逃避であると同時に、友人と再びつながるための安全な場所でもあると気づいた。「数人の友だちと知り合って、彼らの島を訪ねました。友だち自身を見ているような感じで素敵でした」。「今自分たちに起こっていることについては話しませんからパニックにならずに済みますし、気分をリフレッシュできます」。

このコロナ危機の最中に、デジタル上の島に癒しやつながりを見い出しているのは彼女だけではない。女優のブリー・ラーソンは雑誌エル(ELLE)のインタビューで、自身の「無人島」について語り、モデルのクリッシー・テイゲンはこのゲームに夢中になっていることをツイートした。また、歌手のリル・ナズ・Xは、みんなとつながろうとインスタグラムで呼びかけた。

https://twitter.com/chrissyteigen/status/1245537638569758721

https://www.instagram.com/p/B84w9hNF-Oh/

自宅隔離生活のストレスからバーチャルの世界に逃避できるゲームは「どうぶつの森」だけではない。似たような土地開拓ゲームがある。穏やかで非暴力的なゲーム「スターデュー・バレー(Stardew Valley)」は、手の込んだパンを焼き、パズルを解き、ズーム(Zoom)ハッピーアワーのやり方を学ぶことと並び、新型コロナウイルスによる隔離生活に対処する方法の1つとなっている。

しかし、これらのゲームは単に現実逃避ができる娯楽ではない。社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を取ることが当たり前になる …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【夏割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
人気の記事ランキング
  1. A skeptic’s guide to humanoid-robot videos すごすぎる人型ロボット動画、騙されないためのチェックポイント
  2. A new way to build neural networks could make AI more understandable ニューラルネットの解釈性を高める新アプローチ、MITなど提案
  3. Ray Kurzweil: Technology will let us fully realize our humanity レイ・カーツワイル:テクノロジーがもたらす人間性の完全な実現
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る