フェイスブックがカップル向けの新しいアプリ「チューンド(Tuned)」をリリースした。カップルがお互いにメッセージを送ったり、音楽や気分を共有したり、共有された日記をつけたり、写真やボイスメモを送信したりできるアプリだ。フェイスブックへの登録がなくても利用でき、カップルが繋がるための「プライベート・スペース」としてフェイスブックは売り込んでいる。
ただし、このアプリはエンド・ツー・エンドの暗号化がされているわけではなく、フェイスブックと同様のプライバシー・ポリシーが適用されるので、フェイスブックは人々のデータを収集してターゲティング広告に利用できる。新アプリは現在のところ、米国とカナダのiOSユーザーのみが利用可能だ。 ワッツアップ(WhatsApp)と同様に、ユーザーは他のユーザーを追加するのに電話番号を使う。
チューンドは、フェイスブックが2019年夏に立ち上げた新製品実験チームによって開発された。ターゲットは明確で、フェイスブックは若者市場、特に10代や長距離恋愛中のカップルにアピールしている。これは、フェイスブックが恋愛機能にさらに力を入れようとしていることを示している。フェイスブックはすでに出会い系サービスも強化しており、2019年には「secret crush(片思い)」機能を開始している。
考えてみると、2人のためのソーシャル・ネットワークというのは少々奇妙ではある。だが、このようなアプリはすでに他にも存在する。少数の限られた人たちに、安全で親密なスペースをネット上で提供する新しい種類のソーシャル・ネットワークが出現しているのだ。「いいね」の数やフォロワーを増やすのではなく、少人数で親密さを深めていくという考え方だ。