KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
新型コロナウイルス、クルーズ船内で最長17日残存=CDC報告
Pixabay
Coronavirus might last on surfaces for a lot longer than we thought

新型コロナウイルス、クルーズ船内で最長17日残存=CDC報告

米国疾病予防管理センター(CDC)が新たに発表した研究によると、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で全乗客を下船させてから最長17日後まで、極めて微量の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が船内で検出された。これまで考えられていたよりもはるかに長い期間、物体表面上に残存する可能性がある。 by Charlotte Jee2020.03.26

米国疾病予防管理センター(CDC)が新たに発表した調査報告書によると、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で全乗客を下船させてから最長17日後まで、極めて微量の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が船内で検出された。すなわち、新型コロナウイルスはこれまで考えられていたよりもはるかに長い期間、物体表面上に残存する可能性がある。

3月17日にニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)で発表された研究によると、新型コロナウイルスは空気中で数時間、鉄とプラスチックの表面では少なくとも3日間は留まる可能性があるとされる。

研究者は、検疫で横浜港に先月停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を調査した。すると、全乗客を下船させて消毒してから最長17日後まで、感染者が利用していたキャビン内で新型コロナウイルスRNA(遺伝物質)が発見された。だが、CDCは、「ウイルスRNAの発見は、必ずしも感染力のあるウイルスが残存していることを意味するわけではありません」と述べた。したがって、新型コロナウイルスが検出された表面に触れた人がウイルスに感染したかどうかは定かではない。

物体表面を適切に洗浄して消毒すると、新型コロナウイルスは不活性化する。洗浄されていない物体表面で新型コロナウイルスが残存する正確な期間、および残存する新型コロナウイルスのリスクの度合いが時間と共にどう変化するかについて確固たる結論を導き出すには、さらに多くの調査が必要だ。

しかし、新型コロナウイルスの残存期間がこれまで考えられていたよりもはるかに長い可能性があるという事実から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疑いのある人が暮らしていた家や訪れた病院は特に注意して洗浄・消毒を徹底する必要がある。同様に、ジム、バー、レストランなどのサービス業を再開するときにも、徹底的な洗浄・消毒を怠らないようにする必要がある。

(関連記事:新型コロナウイルス感染症に関する記事一覧

人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る