武漢市を含む湖北省全体で初めて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新たな感染者が確認されなかったと中国の国営メディアが3月19日に報じた。武漢市は新型コロナウイルスの発生地であり、このニュースは同市の事態が著しく改善されたことを示している。武漢市では、つい最近まで入院を必要とする何千人もの感染者の対処に苦慮していた。中国当局関係者によると、3月18日に確認された新たな感染者34人はすべて海外からの入国者だという。
湖北省のこのニュースは、かすかな希望をもたらすと同時に、事態の収拾にあたる各国政府に対し、何をすべきかを示すものともなるだろう。主な教訓として、感染地域を早い段階で厳しく封鎖する必要があるということが言えそうだ。これは武漢市で実施された対策で、今でも特別な許可を得た者以外の出入りは禁止されており、市民は自宅から出ないよう指示されている。中国工程院の一員であるリ・ランエン(李蘭娟)医師によると、この命令は2週間にわたって新たな感染者が確認されない場合にのみ解除される予定だ。しかし、中国当局がこの封鎖処置を緩和すれば、河北省での感染者数が再び増えてしまう可能性は依然として残る。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のエピデミック(局地的な流行)の現在の中心地はイタリアだと言って差し支えないだろう。イタリアでは今週、コロナウイルス関連の死者数が中国の3250人を上回ろうとしている。ロンバルディア州は飛び抜けて感染者数の多い地域で、多数の死者が毎日報告されている。
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