新型コロナウイルスのアウトブレイクが拡大し、正規雇用者に与えられる保護が受けられない請負業者に恐怖と混乱を引き起こしている。
多くのテック企業が社員に在宅勤務を指示しているが、ドライバーや宅配便業者など現場で働く人たちにとってはそれは不可能な話だ。時間給で賃金が支払われる請負業者は、出勤しなければ収入はゼロだ。「私たちのような二級市民の地位にあることは今や、健康に関して文字通り影響を被るということです」。グーグルの請負業者であるジョシュ・ボーデンはガーディアン(Guardian)紙に語った。
ウーバー(Uber)は、コロナウイルスの検査で陽性となったライダーやドライバーのアカウントを停止する可能性があると3月11日に述べた(どのように実施するかは明らかではない)。アマゾンは、アウトブレイクの間は、同社の労働者が倉庫に来ない場合でも出勤点を差し引かないと述べた。そして、アマゾン、インスタカート(Instacart)、ドアダッシュ(DoorDash)、ウーバー、リフト(Lyft)の各社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断されたり、隔離されたりしたことを示せば、自社のギグワーカー(単発で仕事を請け負う労働者)に最大2週間の疾病手当を支給すると約束した。請負業者が医療費を支払うのを支援するための資金を用意している企業もある。
ただし、こうした対策は今のところ、労働者の不安を払拭するのに大きな効果を発揮していないようだ。「今週配達したとき、玄関を開けると体調が悪そうに見えたお客がたくさんいました。隔離中の人たちだったらどうすればいいのでしょうか。配達する度にリスクに身を晒すことになりますが、避ける方法はありません」と、多くのドライバーや宅配業者と同様に複数のアプリで仕事をする人物はメル(MEL)マガジンに語った。
いまのところ、人々は目の前の日々や一週間一週間をただやりくりすることに集中しているようだ。だが、新型コロナウイルスによって、テック分野に蔓延する不平等が痛々しいほど明らかになっている。インスタカートの労働者たちは先月、投票で労働組織化することを決めた。他がこれに続くかどうか、今後が注目される。
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