KADOKAWA Technology Review
×
機械学習で神経信号を増幅、「意のままに動く義手」実現へ成果
Evan Dougherty | University of Michigan Engineering
生物工学/医療 無料会員限定
An implant uses machine learning to give amputees control over prosthetic hands

機械学習で神経信号を増幅、「意のままに動く義手」実現へ成果

機械学習の手法を用いて神経信号を増幅することで、上肢切断者が自らの意思で義肢をコントロールできることを示す実証実験の結果が報告された。神経信号を記録する電極を埋め込まれた4人の被験者は、小さなおもちゃのブロックを拾い上げたり、じゃんけんをしたりできるようになった。 by Charlotte Jee2020.03.11

研究者らは10年以上にわたり、自分の意思で制御できる義肢の実現に向けた研究に取り組んできた。理論的には、上肢切断者が自らの意思でコントロールできる義手は、日々のあらゆる作業をこなす能力を回復させ、生活水準を大幅に向上させる可能性がある。

だが、これまで科学者たちは、義肢に送るのに十分に強く、安定した神経信号にアクセスできないという大きな障壁に直面してきた。脳機械インターフェイスを用いてこの種の信号を得ることは可能だが、こうしたインターフェイスを体内に埋め込む処置は侵襲的で費用が嵩む。そして、脳と脊髄から広がる末梢神経が伝達する神経信号はあまりにも微弱だ。

新たに開発されたインプラント(埋め込み機器)は、機械学習を用いてそうした微弱な信号を増幅することで問題を回避するものだ。サイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌に掲載された研究により、このインプラントがほぼ1年間に渡って …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Why the next energy race is for underground hydrogen 水素は「掘る」時代に? 地下水素は地球を救うか
  2. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  3. This quantum computer built on server racks paves the way to bigger machines ザナドゥ、12量子ビットのサーバーラック型光量子コンピューター
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る