KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
「曼荼羅を描くロボット」に見る、宗教とテクノロジーの未来
MS Tech/Getty
人間とテクノロジー Insider Online限定
The robot does the hard work. Can you still attain enlightenment?

「曼荼羅を描くロボット」に見る、宗教とテクノロジーの未来

仏教の瞑想に使用される伝統的なアートワークである「曼荼羅(まんだら)」を作成と破壊を代行するロボットが開発された。ロボットが描く曼荼羅は、宗教とテクノロジーがますます絡み合っている未来を示唆する。 by Tanya Basu2020.03.12

6時間、円形のロボットが壁沿いを上下に動き回って、それぞれの花びらに無数の複雑なデザインが描かれた蓮(はす)をスケッチする。4色のマーカーペンがそのスケッチを彩る。美しい。しかし、ロボットは描き終わるとすぐにコースを逆行しながら絵を消して、まるで何事もなかったかのように壁を離れる。

https://www.youtube.com/watch?v=lm7L3bYF2jE

曼荼羅(まんだら)のリメイク版だ。曼荼羅の複雑なパターンは、瞑想中に僧侶が見る慈悲や知恵などの美徳に関する世界を意味している。そう述べるのは、仏教僧であり、マサチューセッツ工科大学(MIT)ダライラマ倫理・変革的価値センター(Dalai Lama Center for Ethics and Transformative Values)のテンジン・プリヤダルシCEO (最高経営責任者)だ。プリヤダルシCEOは、仏教の重要な伝統である曼荼羅の作成と破壊の精巧なプロセスを自動化するべく、MITの建築家であり「スクリビット(scribit)」の設計者であるカルロ・ラッティ教授とチームを組んだ。スクリビットは、特別なマーカーを使って壁にアートを描いたり消したりできる500ドルの「描写・消去ロボット」だ。

伝統的な曼荼羅は、手で描画した後、着色した砂で塗りつぶすという骨の折れる作業が必要だ。曼荼羅はひとたび完成すると、美しさと存在の儚さの象徴として壊される。しかし、スクリビットはそこまで繊細ではない。事前にプログラムされた画像を基に曼荼羅を描写する。砂も細心 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る