宇宙に関するニュースレター「 ジ・エアロック(The Airlock) 」には毎週、担当の ニール・V・パテル記者に読者からの質問が届きます。今週は、新たな宇宙開発競争についてです。
読者からの質問
「私は今日の宇宙開発を主導している国や機関に興味があります。人々が目にするのはたいてい、米国航空宇宙局(NASA)や他の米国企業のニュースですが、ESA(欧州宇宙機関)もメディアの見出しを飾っています。また私が知っているところでは、中国も積極的に宇宙開発に参加していますし、インドやイスラエルも同様です。
これらすべてのグループ間の力関係はどうなっているのでしょうか?それらの国の間で、ある種の『競争』が存在しているのでしょうか?それとも、より協力的な関係なのでしょうか」(エミリーより)
ニール記者の回答
宇宙時代は、米国とソビエト連邦との間で繰り広げられた月への到達をめぐる競争で幕を開けました。1969年にアポロ11号の宇宙飛行士が月面を歩くと、米国は追随するソ連を引き離し、一躍トップに躍り出ました。それ以来、次の大きな宇宙開発競争の対象となるものは何なのか、そして誰がその主な担い手となるのかが、常に話題となってきました。しかし、宇宙産業はもはや、2国間で優越性を競うようなプログラムではありません。かつてないほど複雑になっているのです。
米国は依然として世界有数の宇宙大国 …