KADOKAWA Technology Review
×
【3/14東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
ロシアの人工衛星が米国のスパイ衛星に接近、ストーキングか?
US Air Force
宇宙 無料会員限定
A Russian satellite is probably stalking a US spy satellite in orbit

ロシアの人工衛星が米国のスパイ衛星に接近、ストーキングか?

人工衛星の軌道上で1月、ロシアの衛星が、米国のスパイ衛星に接近し、ぴったりと後をついてくるという出来事があった。ロシアは、米国のスパイ衛星に関する情報を収集するために、自国の衛星にこのような操作をしているものと見られ、こうした出来事が今後、繰り返し発生することは、ほぼ確実だ。 by Neel V. Patel2020.03.05

衛星軌道上で1月20日、かなり奇妙なことが起きた。ロシアの人工衛星が突然、米国のスパイ衛星にぴったりと寄り添うように移動したのだ。両者の距離は現在300キロメートル以下。宇宙空間ではごく短い距離だ。何が起きたのか正確には分からないが、ロシア衛星の動きは米衛星のスパイが目的であることを強く匂わせており、米国が打てる対抗策はほとんどない。

ロシアの公式見解では、「コスモス(Kosmos)2542」と呼ばれるこの衛星は、自国の軌道上の資産を綿密に観察するための衛星「査察」テクノロジーを試験する計画の一環だ。親衛星の近くに子衛星を打ち出して画像を撮影するとしている。

だがコスモス2542の親衛星や子衛星が取った最近の動きは、この表向きの話とは何一つ一致しない。パデュー大学で宇宙力学を専攻する大学院生のマイケル・トンプソンは、コスモス2542のニュースを初めてツイッターで明かした。トンプソンは、コスモス2542の親衛星が、米国の衛星「USA245」(275キロから1000キロメートル上空の低軌道上を周回している)と異常なほどの正確さで足並みを揃えており、一方で子衛星は実際には何も役割を担っていないようだと指摘する。

依然として状況証拠にとどまるものの、戦略国際問題研究所(CSIS)で航空宇宙セキュリティ特別研究員を務めたトーマス …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. AI crawler wars threaten to make the web more closed for everyone 失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
  3. Inside the race to archive the US government’s websites 米政府系サイトが続々閉鎖、 科学者らが緊急保存作戦
  4. Why the next energy race is for underground hydrogen 水素は「掘る」時代に? 地下水素は地球を救うか
▼Promotion
U35イノベーターと考える 研究者のキャリア戦略 vol.2
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る