電子投票のセキュリティ、「紙」併用でも消えない意外なリスク
電子投票機の導入が進む米国では不正防止のため、紙での記録を併用する動きがある。だが、新たな調査によると、ほとんどの投票者が投票後に投票用紙を確認しないことが分かった。 by Patrick Howell O'Neill2020.03.03
選挙における電子投票機の使用に関する新しい調査によって、ほとんどの有権者が自分の投票が正確に反映されていることを確認しておらず、選挙結果を操作できる「重大なリスク」があることが明らかになった。ミシガン大学の新研究だ。
投票マーキング装置(BMD)は、物理的な投票方法とデジタルの投票方法を組み合わせた単一の機械だ。投票者がコンピューター画面で候補者を選択すると、確認用に紙の投票用紙が印刷される。BMDの目的は、投票を簡単にすること、ハッカーが容易に変更できない物理的な監査証跡を提供することにある。ワシントンポスト紙によると、米国の選挙区の少なくとも18%がBMDを使用しているという。
だが、新しい研究では、投票機が不正操作された場合でも、印刷された投票用紙の内容が正しいことを確認する人はほとんどいないため、不正に誰も気づかない可能性が高いという。さらに、印刷された投票用紙をチェックする有権者でさえ、そのほとんどが間違いに気づかない。
新研究が提起しているのは、ハッキング可能なコンピューターと選挙後の監査という、選挙のサイバーセキュリティにおける2つの主要な問題だ。
「投票者と投票の記録の間に、ハッキング可能なコンピューターを挟むのは大きな問題を提起します」。投票機器メーカーのハート・インターシビック(Hart InterCivic)で16年間、上級職を務めたエディ・ペレスは話す。「有権者 …
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