2016年2月、物理学者の国際チームが重力波を初めて直接検出したと発表した。この重力波は、それぞれが太陽の約30倍の質量を持つ2つの巨大ブラックホールの衝突によって発生したもので、衝突の規模が非常に大きかったため、時空の「さざ波」が地球まで伝わってきたというわけだ。
重力波の発見は、物理学コミュニティにとって勝利を意味した。アインシュタインの一般相対性理論に従うと時空のさざ波が起こる可能性があることは、物理学者の間では長きにわたって知られていた。重力波は、陽子の直径よりも小さい大きさで宇宙空間を伸び縮みさせる。この波を検出するために物理学者は、10億ドルをはるかに上回る費用をかけて非常に感度の高い検出器のネットワークを作った。そのため、2016年に重力波を初めて検出できたことは、物理学者に大きな成功と安堵をもたらした。
新たな研究で、2人の物理学者が、重力波はありふれた風景の中にずっと潜んでいたと述べている。南アフリカにあるクワズール・ナタール大学のリツパルノ・ゴスワミとケープタウン大学のジョージ・エリスが、数学の高度な技術を用いて潮汐力が重力波であることを示したのだ。潮汐力は、月が地球を周回する際に海面を上下させる力である。「潮汐力は実は、隠れた一種の重力波なのです」。
まず、背景 …