中国と通じたハッカーが米国人事管理局のコンピューターシステムに侵入し、数百万人もの米連邦職員や請負業者の機密情報を盗んだ事件から6年が経つ。盗まれたのは、機密情報を取り扱うための身元調査の際に収集されたもので、非常に個人的な情報だった。しかし、全ての情報が失われたわけではない。人事管理局のセキュリティに大きな穴があったのは明らかだが、盗まれたデータには暗号化されていたものもあった。つまり、攻撃者たちには役に立たないものだった。
だが、その状況も長くは続かないだろう。暗号化されたデータでさえ危険に晒されるのは時間の問題だ、というのが米メリーランド州ベセスダに拠点を置くサイバーセキュリティ企業であるクアンタム・エクスチェンジ(Quantum Xchange)のジョン・プリスコCEO(最高経営責任者)の見方だ。12月2、3日に開催されたMITテクノロジーレビュー主催の「EmTech(エムテック)フューチャー・コンピュート」で同CEOは、中国が積極的に量子コンピューティングの開発を進めていることは、暗号化されたデータにアクセスする鍵を見つけ出すシステムをいずれ作り上げることを示していると語った。暗号解読のための量子システムが作られたら、現在の暗号はほとんど解読されてしまうだろう。
中国は「今のうちに手に入れ、後から解読する」というアプローチで進んでいるとプリスコCEOは述べた。中国はたとえ今はまだ解読 …