中国は11月23日、一組の人工衛星を西昌衛星発射センターから軌道に打ち上げた。しかしながら、ソーシャルメディアで主に話題になったのは、地上で起こったことだった。打ち上げ時のブースターが中国農村地帯、中南部地方に落下し、建物を直撃したのだ。負傷者はいなかったものの、事故の動画や写真では、ブースターの残骸と周辺の破壊状況、有毒なロケット燃料が蒸発しているのが見られた。
https://twitter.com/AJ_FI/status/1198173691378618368
この事故は、中国における「ロケット部品の落下によって、地上を破壊した」事故の長い歴史において最新のものである。もっとも悪名高い事故が発生したのは1996年のことだ。初の長征3号Bの打ち上げ時にロケットが軌道コースを外れてとある村に墜落し、無数の死者を出した(おそらく数百人に上ると欧米では推測している)。
https://twitter.com/LaunchStuff/status/1198242528048435201
「打ち上げでは必ず、計画外の場所に落ちる可能性があります」とセキュアワールド財団(Secure World Foundation)のヴィクトリア・サムソンは言う。「人口集中地域の上空に打ち上げないのはそれが理由です」。そのため、ほとんどの国が海上に向けて打ち上げている。
では、なぜ中国は海上に向けて打ち上げないのか。「この問題はすべて地理にかかっています」と戦略国際問題研究所(CSIS:Center for Strategic and Internation …