ロケットのブースターが中国農村部に落下、民家に被害
中国では、ロケット打ち上げの際に、部品や破片が地上に落下して住民たちに被害をもたらす事故が幾度となく起こっている。こうした問題は決して新しいものではないが、宇宙産業が急速に成長している現在、各国は改めて対策を講じる必要がある。 by Neel V. Patel2019.12.02
中国は11月23日、一組の人工衛星を西昌衛星発射センターから軌道に打ち上げた。しかしながら、ソーシャルメディアで主に話題になったのは、地上で起こったことだった。打ち上げ時のブースターが中国農村地帯、中南部地方に落下し、建物を直撃したのだ。負傷者はいなかったものの、事故の動画や写真では、ブースターの残骸と周辺の破壊状況、有毒なロケット燃料が蒸発しているのが見られた。
https://twitter.com/AJ_FI/status/1198173691378618368
この事故は、中国における「ロケット部品の落下によって、地上を破壊した」事故の長い歴史において最新のものである。もっとも悪名高い事故が発生したのは1996年のことだ。初の長征3号Bの打ち上げ時にロケットが軌道コースを外れてとある村に墜落し、無数の死者を出した(おそらく数百人に上ると欧米では推測している)。
https://twitter.com/LaunchStuff/status/1198242528048435201
「打ち上げでは必ず、計画外の場所に落ちる可能性があります」とセキュアワールド財団(Secure World Foundation)のヴィクトリア・サムソンは言う。「人口集中地域の上空に打ち上げないのはそれが理由です」。そのため、ほとんどの国が海上に向けて打ち上げている。
では、なぜ中国は海上に向けて打ち上げないのか。「この問題はすべて地理にかかっています」と戦略国際問題研究所(CSIS:Center for Strategic and Internation …
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