ナスダックが不正監視に深層学習、アナリストの負担を軽減
知性を宿す機械

AI will now watch for fraudsters on the world’s largest stock exchange ナスダックが不正監視に深層学習、アナリストの負担を軽減

ナスダック株式市場に、取引の不正行為を検知するための深層学習システムが導入された。統計やルールを利用して市場の不正行為の兆候を警告する既存のソフトウェア監視システムに追加する形で取引を監視し、人間のアナリストと協働することで、不正行為の検知能力を漸次高めていく。 by Karen Hao2019.11.15

ナスダック(NASDAQ)株式市場は、詐欺師にとって魅力的な標的だ。取引量が世界最大の証券取引所であるNASDAQは、不正にシステムを打ち破ろうとする試みに対し、常に監視を怠らないようにせねばならない。不正行為としては、終値を高騰させるための株価の操作や、大量に取引されている印象を与えるために急速に株の売買を繰り返すチャーニング、人為的に高需要を作り出すために、実際に実行する意図を持たずに大規模な売買注文をするスプーフィングなどが挙げられる。

株式市場と同名の親会社であるナスダック(Nasdaq)は11月7日、取引の監視に人工知能(AI)を導入したことを発表した。新たに導入された深層学習システムは、人間のアナリストと協働して1日あたり約1750万件の取引を監視している。

今回導入された深層学習システムは、統計やルールを利用して市場の不正行為の兆候を警告する既存のソフトウェア監視システムを増強するものだ。ナスダック北米部門で市場監視部長を務めるマルティナ・レイジョによると、たとえば米国の株式市場では、従来のシステムは1日あたり約1000件の警告を発し、それを人間のアナリストが調査してきたという。その中で詐欺と断定され、重い罰金を …

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