KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
人口減らすべき? 科学者らの「気候変動対策」に批判
Unsplash / chuttersnap
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Critics blast a proposal to curb climate change by halting population growth

人口減らすべき? 科学者らの「気候変動対策」に批判

気候変動対策の一つとして世界の人口増加を抑止すべきだと主張する論説が、物議を醸している。アフリカやアジアの急成長中の途上国を主な標的としており、人口抑制のより積極的な対策や、途上国の成長に対する人種差別的態度を正当化するのに悪用される可能性があるというのだ。 by James Temple2019.11.15

幅広い分野の1万1000人を超える科学者たちが、「気候非常事態」を宣言する新しい論説に署名した。だが、他の研究者たちは、同論説で提案された方策の一つである人口増加の停止について即座に批判している。

「現在、年間約8000万人、または1日あたり20万人以上増え続けている世界の人口を安定させ、理想的には徐々に減らしていく必要があります」。11月5日に『バイオサイエンス(BioScience)』に掲載された論説は提案している。

論説の著者たちは、出生率を効果的に低下させる主な手段として、家族計画サービスをより広く利用可能にすること、少女と若い女性の教育を改善すること、およびジェンダーの平等を増やすことなどを挙げている。

しかし、豊かな国では一般に出生率が横ばいまたは低下しているため、この提案は主にアフリカとアジアの急成長中の途上国を対象としているようだ。国連は、出生率の高い順に並べると、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア連合共和国、インドネシア、エジプト、米国(移住が成長の主な原動力になると予想されている)の9カ国が、現在から2050年までに予測される人口増加の半分以上を占めると見積もっている。

「先進国の多くの白人は人口を減らすべきだと言っていますが、それは『帝国主義の枠組み』という言葉に換言されるものです」とジョンズホプキンス大学高 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. This Texas chemical plant could get its own nuclear reactors 化学工場に小型原子炉、ダウ・ケミカルらが初の敷地内設置を申請
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る