KADOKAWA Technology Review
×
大真面目なグーグル製「紙電話」はデジタル・デトックスに効くか?
Special Projects and Experiments with Google via YouTube
人間とテクノロジー 無料会員限定
Google’s big plan to fight tech addiction: A piece of paper

大真面目なグーグル製「紙電話」はデジタル・デトックスに効くか?

グーグルが発表した「紙電話」は冗談ではない。グーグルが考える「デジタル・ウェル・ビーイング」の一環だ。 by Tanya Basu2019.11.26

テック中毒と戦うグーグルの大計画は、1枚の普通の折った紙を使う。

グーグルが11月初旬に発表した新しい「デバイス」は、道案内、電話番号、ゲームなど、普通ならスマートフォンでアクセスする情報を、1枚の紙に印刷する。印刷した後は、8分の1の大きさに折りたたむ。これだけでいい。「紙電話(Paper Phone)」の完成だ。

https://youtu.be/mAKzUcM0w_s

紙電話は冗談ではない。本気で考えられたものだ。

「スマホを1日中持ち歩かずにすむ別の方法を提供できればと思い、1枚の紙に情報を印刷しました」とグーグル・クリエイティブ・ラボ(Google Creative Lab)のチーム・リーダーであるエマ・ターピンは話している。「紙電話は便利なので、皆さんに試してもらえるでしょう」。

今回の取り組みをグーグルと共同で進めたのは、ロンドンにあるスペシャル・プロジェクト(Special Project)というデザイン・スタジオだ。同スタジオの「テクノロジー・マジック」部門のエイドリアン・ウェスタウェイ部長によると、紙電話の開発を目指したきっかけは「デジタル・デトックス(デジタル機器やインターネットからある時間離れ依存から抜け出す試み)という考え方に興味があった」からだという。「デジタル・デトックスについて話すと、多くの人がスマホを置いて出かけることに恐れを感じていました」とウェイスタウェイ部長はいう。

そこで、チームはウェイスタウェイ部長がいうところの「少しの間、スマホを使わずに、穏やかな気持ちで他の人に共感しながら過ごすための」手段として、紙電話を生み出した。

グーグルは、テック中毒の蔓延の一因になっていると批判を受けている。紙電話は、こうした批判に対処するための最新の取り組みだ(他のプロジェクトには、スマホをアンロックした回 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  2. Why the next energy race is for underground hydrogen 水素は「掘る」時代に? 地下水素は地球を救うか
  3. OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る