宇宙に関するニュースレター「ジ・エアロック(The Airlock)」の読者から届いた質問に、担当のニール・V・パテル記者が答えます。今回は、光速での宇宙旅行についてです。
※記事掲出当初、質問に対する答えに誤りがありました。当該部分を訂正し、お詫びいたします。(2019年10月31日5時30分、原文の変更内容を反映)
読者からの質問
「子どものころから不思議に思っていたことがあります。ニュートンの運動の第三法則(作用・反作用の法則:すべての作用は向きが反対で大きさが等しい反作用を持つ)を利用して、光の速度で宇宙旅行をすることはできないのでしょうか?ロケットの推進装置として強力な光を使用するだけです。光子は光の速度で移動しているため、宇宙船は同じ速度で反対方向に押されることになるはずですが、なぜうまくいかないのでしょうか」(キランより)
ニール記者の回答
いくつかの段階を踏んで、この質問にお答えしましょう。おっしゃる通り、ニュートンの第三法則では、すべての作用は向きが反対で大きさが等しい反作用を持つと規定されています。これは、運動量が保存されていると表現することもできます。ニュートン力学では、運動量は質量と速度の積です。ゆっくりと動く重い物体には大きな運動量がある一方、速く動く軽い物体にも大きな運動量があります。ただし、関係するすべての速度が相殺されるという意味ではありません。たとえば、銃が発射されると反動が発生しますが、銃は弾丸よりもはるかに重いため、反動の速度は弾丸の速度よりもはるかに遅くなります。
光の粒子である光子に質量はありません。ただし、矛盾しているようですが、運動量はあります。光子の運動量は波長に反比例します。電波 …