ウーバーがAIラボを新設したのは、機械学習の未知の領域を探求し、重要な進歩をビジネスに取り入れるのが目的だ。
シリコンバレーに設置されるAIラボは、ニューヨーク大学のゲイリー・マーカス教授(買収額不詳でウーバーが獲得中の企業ジオメトリック・インテリジェンスの最高経営責任者)が率いる予定だ。また、人工知能の著名研究者であるゾウビン・ガーラマニも加わる予定(英国ケンブリッジ大学には非常勤教授として残る)だ。ジオメトリック・インテリジェンスの共同創立者にはセントラルフロリダ大学のケン・スタンレー准教授やニューヨーク大学を卒業したばかりのダグ・べミス(神経言語学博士号取得)などがいる。
新設されるラボの初期メンバーは15人で、さまざまな省データ型機械学習の開発、データだけでなくルールを用いる人工知能(AI)システムの訓練、システムによる判断を説明する機械学習アルゴリズムの設計など、幅広い領域におけるAIの根本的な課題を研究する。こうした分野での進歩は将来の自動運転車に不可欠だが、たとえば自動車の経路決定やウーバーの待機中ドライバーと顧客のより効率的なマッチングにも貢献することになり、ウーバーの現在のビジネスを向上させるかもしれない。
ウーバーのジェフ・ホールデンCPO(最高製品責任者)は12月5日、ブログの投稿で新部門「ウーバー・AIラボ」を発表した。AIラボは、ウーバーがビジネス面でAIの重要性が増大することで設立された。しかし、近年の驚くべき進歩にも関わらず、信頼性のある無人乗用車の開発には、より一層の基礎的な進歩が不可欠である現実も反映していそうだ(「試験中の自動運転タクシーはしばらく試験中のままな理由」参照)。
「自動運転車が現実世界で起こりうるシナリオのすべてに対処できるまでには長い時間がかかるでしょう」とウーバーのホールデンCPOはいう。ホールデンCPOは機械学習の将来の進歩により「人間はまったく異なることができるようになる」が、「問題はその未来で何が人間の役割なのかだ」という。
ホールデンCPOは5月 …