近いうちに機械は、人間がコンピューターでできることは、何でもマスターしようとするかもしれない。
オープンAI(人工知能の大きな進歩を追求し、その進歩を誰もが享受できることを目指す非営利団体)が発表した「ユニバース(Universe)」は、人工知能プログラムが試行錯誤して報酬を得ながら、あらゆることをコンピューターでできるように学習させるプラットフォームだ。
ユニバースの学習対象は1000以上のゲームに加えて、Webブラウザーといったデスクトップ・プログラムも含まれる。人工知能研究者は、オンライン・フォームへの記入、電子メールへの返信、スプレッドシートの更新といった人間の役に立ちそうなタスクを含む、さまざま種類の仕掛けを実現するようにプログラムを訓練できるようになる。
だが、オープンAIのディレクター(研究担当)であるイリヤ・サツケバー共同創設者は、ユニバースそのものを開発し発表する動機の方がずっと強いという。ユニバースは、あらゆるタスクをこなすことを学習できるアルゴリズムを、人工知能研究者が開発し、テストする手段を提供することで、汎用的な人工知能を実現する第一歩になる。ユニバースは、さまざまなタスクを学習し、ある状況で学習したことを別の状況でも応用できる「転移学習」と呼ばれる機能のある人工知能エージェントを実現する手がかりになることが期待されている。実現すれば、人工知能のパワーと利便性は間違いなく高まるだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=OSfd2AEnykM
「もしエージェントがユニバースでタスクを上手くこなせる、つまり、エージェントが何をすべきかを理解できるようになり、さらに直接の知識ではなく、別の知識を応用した結果であれば、このエージェントは現存するどのAIよりもずっと知能が高いことになります」とサツケバーはいう。
人工知能のアルゴリズムが人間の能力に匹 …