転倒は、人型ロボットの得意技だ。しかし、ボストン・ダイナミクスの新手法により、人型ロボットは以前よりずっと上手にデコボコの地面を一歩一歩慎重に歩けるようになった。
テッククランチがYouTubeで見つけた動画内で、ボストン・ダイナミクス製のロボット「アトラス」が、建材ブロックで平坦とはいえない道を歩いて渡れるようにした新しい制御アルゴリズムのデモをフロリダ州立大学機構に所属するIHMC(Institute for Human and Machine Cognition)のロボット工学研究所(フロリダ州ペンサコーラ)の研究者が公開した。進路の地面の状態を探ろうとして足を動かし、またぎ、胴体と腕を振って体勢を立て直す様子は、不気味なほどに人間的だ。
実際、ロボットは足下を探り、体全体でバランスを取るようにプログラムされているのだ。新手法の働きを説明する論文によれば「このロボットは新しく触れる地面を、足の周りに重心をずらすことで探る。利用可能な足場がどこにあるかは、探査の際(略)足が触れる角に沿って足首を動かすことで推測する」」と研究者は説明する。
ロボットは、一歩進むごとにどう足を固定すれば転ばずに済むかを判断し、前進しながらバランスを維持し、よろめいても体勢を立て直すために上体の角運動(腕の振りも含む)を使う。実験では、ロボットは建材ブロックの辺や角で体を支え、平坦ではない地面を歩いている。
研究者は、この成果は「脚型ロボットを実世界で活用させる場合の重要なステップだ」としている。もちろん、人間と同様、この方法で常に転ばずに済むわけではない。そこで研究者は、ロボットが受け身を取りながら倒れる方法の研究を始めている。安全に転べるようになれば、ロボットの回路の基板が割れなくなるだろう。
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