KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ
グーグルの業務委託者が労組加盟、「制度の壁」破れるか
Google(logo); Deivid Sáenz | Noun Project (fist)
倫理/政策 無料会員限定
Google contract workers voted to unionize. The law may make next steps tricky.

グーグルの業務委託者が労組加盟、「制度の壁」破れるか

グーグルを支える業務委託の技術者たちが、正社員と同等の待遇を求めている。一部の業務委託者は労働組合への参加を決めたが、現在の米国の法制度では組合への参加を理由に契約の解除も可能だという。 by Angela Chen2019.10.31

グーグルの業務委託者はグーグルに勤めているといえるのだろうか?

この質問は、馬鹿げて聞こえるかもしれない。だが、ピッツバーグのグーグルの業務委託者たちの運命を決定するのかもしれない。9月24日、全米鉄鋼労組(United Steelworkers)への参加を決めたのだ。グーグルの技術系の業務委託者たちは、社員と一緒に働いているにもかかわらず、社員よりも諸手当が少なく、より公平な待遇を望むと主張している。業務委託者たちが労働組合に加わるとの決定は、テック業界全体の力関係を変えると言われている。テック業界は、正社員と同等の(ときにそれ以上の)働きをする非正規の「影の労働力」に依存しているからだ。だが、この動向は深刻な問題に直面する可能性がある。誰が誰のために働いているのかをめぐって議論が続いている。

理由はこうだ。企業は労働組合に参加したことを理由に、正社員を解雇することはできない。全国労働関係法(National Labor Relations Act)に抵触するからだ。「ですが、請負業者の労働者が労働組合に参加したことを理由に、企業が請負業者との契約を解除することは処罰の対象になりません」と、テンプル大学のビリシェン・ロジャース教授(労働法)はいう。ピッツバーグのグーグルの技術系の業務委託者たちは、HCLテクノロジーズ(HCL Technologies)に所属している。そのため、理屈の上では、労働組合へ参加したことを理由に、グーグルはHCLとの契約を解除できる。そうなれば労働者にとっては、明らかに大打撃となるだろう。グーグルは労働者と交渉する必要などまったくない、とロジャース教授は付け加える。それどころか、もしHCLテクノ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. This AI-generated Minecraft may represent the future of real-time video generation AIがリアルタイムで作り出す、驚きのマイクラ風生成動画
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2024 in Nihonbashi 2024年のイノベーターが集結「U35 Summit」参加者募集中
  3. Inside a fusion energy facility 2026年の稼働目指す、コモンウェルスの核融合施設へ行ってみた
  4. How ChatGPT search paves the way for AI agents 脱チャットGPTへ、オープンAIが強化するプラットフォーム戦略
▼Promotion イノベーター under35 2024
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る