グーグルの業務委託者が労組加盟、「制度の壁」破れるか
グーグルを支える業務委託の技術者たちが、正社員と同等の待遇を求めている。一部の業務委託者は労働組合への参加を決めたが、現在の米国の法制度では組合への参加を理由に契約の解除も可能だという。 by Angela Chen2019.10.31
グーグルの業務委託者はグーグルに勤めているといえるのだろうか?
この質問は、馬鹿げて聞こえるかもしれない。だが、ピッツバーグのグーグルの業務委託者たちの運命を決定するのかもしれない。9月24日、全米鉄鋼労組(United Steelworkers)への参加を決めたのだ。グーグルの技術系の業務委託者たちは、社員と一緒に働いているにもかかわらず、社員よりも諸手当が少なく、より公平な待遇を望むと主張している。業務委託者たちが労働組合に加わるとの決定は、テック業界全体の力関係を変えると言われている。テック業界は、正社員と同等の(ときにそれ以上の)働きをする非正規の「影の労働力」に依存しているからだ。だが、この動向は深刻な問題に直面する可能性がある。誰が誰のために働いているのかをめぐって議論が続いている。
理由はこうだ。企業は労働組合に参加したことを理由に、正社員を解雇することはできない。全国労働関係法(National Labor Relations Act)に抵触するからだ。「ですが、請負業者の労働者が労働組合に参加したことを理由に、企業が請負業者との契約を解除することは処罰の対象になりません」と、テンプル大学のビリシェン・ロジャース教授(労働法)はいう。ピッツバーグのグーグルの技術系の業務委託者たちは、HCLテクノロジーズ(HCL Technologies)に所属している。そのため、理屈の上では、労働組合へ参加したことを理由に、グーグルはHCLとの契約を解除できる。そうなれば労働者にとっては、明らかに大打撃となるだろう。グーグルは労働者と交渉する必要などまったくない、とロジャース教授は付け加える。それどころか、もしHCLテクノ …
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