2012年、ハリケーン・サンディがニューヨーク市を襲い、死者44人、推定被害額190億ドル相当という壊滅的な損害をもたらした。現在同市では、数十億ドルを投じて、再びサンディ級のハリケーンが到来した場合に備えている。 ニューヨーク市長室災害復興回復局のジェイニー・バビシ局長によれば、大西洋海盆でハリケーンの強度が増してきていることは、ニューヨーク市が今後数年間にわたって取り組みを強化せねばならない気候変動による危機的影響の1つに過ぎないという。
ニューヨーク市は海面上昇、降水量の増加、長期化し危険性が高まりつつある熱波に対処してゆかねばならない。バビシ局長は、9月19日に開かれたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech(エムテック)」でこう述べた。さらに、「2050年代までには、摂氏32度を超える日数は3倍になると予想しています」とも語った。
そのため、ニューヨーク市長室は200億ドルを投じて、市の建造環境と地域社会の意識を変えていこうとしている。
ハリケーンがもたらす被害ほど注目を集めないことから、バビシ局長が「サイレントキラー」と呼 …