KADOKAWA Technology Review
×
ニューヨーク市が200億ドルを投じる「気候変動対策」の中身
Associated Press
気候変動/エネルギー 無料会員限定
New York City has big plans—and $20 billion—to save itself from climate change

ニューヨーク市が200億ドルを投じる「気候変動対策」の中身

ニューヨーク市は、甚大な被害をもたらしたハリケーン・サンディの教訓を生かして、気候変動の危機的影響への対策を矢継ぎ早に打ち出している。目立たない防波堤、白い屋根、熱中症の兆候を監視する地域社会プログラムなどは、問題に対処するための戦略の一部だ。 by Mike Orcutt2019.09.25

2012年、ハリケーン・サンディがニューヨーク市を襲い、死者44人、推定被害額190億ドル相当という壊滅的な損害をもたらした。現在同市では、数十億ドルを投じて、再びサンディ級のハリケーンが到来した場合に備えている。 ニューヨーク市長室災害復興回復局のジェイニー・バビシ局長によれば、大西洋海盆でハリケーンの強度が増してきていることは、ニューヨーク市が今後数年間にわたって取り組みを強化せねばならない気候変動による危機的影響の1つに過ぎないという。

ニューヨーク市は海面上昇、降水量の増加、長期化し危険性が高まりつつある熱波に対処してゆかねばならない。バビシ局長は、9月19日に開かれたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech(エムテック)」でこう述べた。さらに、「2050年代までには、摂氏32度を超える日数は3倍になると予想しています」とも語った。

そのため、ニューヨーク市長室は200億ドルを投じて、市の建造環境と地域社会の意識を変えていこうとしている。

ハリケーンがもたらす被害ほど注目を集めないことから、バビシ局長が「サイレントキラー」と呼 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る