KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
原発から地球工学まで、
米大統領選候補が語った
「気候変動対策」の中身
ASSOCIATED PRESS
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Four tech takeaways from the climate town hall

原発から地球工学まで、
米大統領選候補が語った
「気候変動対策」の中身

7時間にもおよぶ気候変動対策をテーマにした討論会で、10人の米大統領候補者たちは何を語ったのか? 原子力発電から地球工学、天然ガスまで、立場の違いが鮮明になってきた。 by James Temple2019.11.13

米国大統領候補者10人が9月4日のケーブルテレビの番組で、なんと7時間も地球温暖化の危険性とエネルギー政策について話し合った。

CNNで気候変動についての討論会が実施されたという事実自体、米国の世論と政局がいかに大きく早く変化しているかを具体的に示している兆候の1つだといえる。4年前の大統領選挙で、気候変動の話題が取り上げられることはほとんどなかった。 だが今回、民主党の大統領選候補者の周辺からは、従来よりも多額の予算を投じ、迅速なスケジュールで気候変動対策に取り組む計画が競うように発表されている。

確かに、CNNにはいくつかの失態があった。 一部の司会者は、炭素税や連邦政府の研究開発基金の仕組みを理解していないように思えたし、ストローやチーズバーガー、電球などに対する過剰な規制への共和党の主張をそのまま繰り返しているようにも見えた。事実、候補者の1人であるエリザベス・ウォーレン上院議員はそのことである司会者に苦言を呈している。

そうではあったものの、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のレイア・ストークス助教授(政治学)は、大統領候補者たちが地球温暖化の高まる危険性と、その対処法としての競合するアイデアについて延々と語るのを数百万人の米国人が聞いたことは「前例のない、驚くべきこと」だったと指摘している。ストークス助教授や他の識者は、若者主導の政治活動グループ「サンライズ・ムーブメント(Sun Rise Movement)」が、その実現に向けたプレッシャーを与えたと考えている。

9月4日夜の討論会のポイントは以下の3つである。

原子力を巡り深まる民主党内の溝

ウォーレン上院議員は、新しい原子力発電所の建設を中止し、最終的には既存の原子力発電所を段階的に廃止するつもりだと発言し、反原子力の立場を強調。一部の人々を驚かせた。

よい考えではない。 原子力は、今日の米国の二酸化炭素を排出しない電力の約半分を供給しており、原子炉を閉鎖すれば、今後数十年における電力部門の脱炭素化という課題は極めて複雑化するだろう。風力や太陽光などの不安定なエネルギー源が原子力や化石燃料に取って代わる場合、供給のピークや谷間の不均衡をならすための安価で長期にわたるエネルギー貯蔵技術が必要になる。そしてMITテクノロジーレビューが何度も指摘するように、そうしたテクノロジ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る