KADOKAWA Technology Review
×
【3/14東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
フェイスブックが「マイクラ」でAIアシスタントを開発する理由
PIXABAY
シリコンバレー Insider Online限定
Facebook is creating an AI assistant for Minecraft

フェイスブックが「マイクラ」でAIアシスタントを開発する理由

フェイスブックの研究チームは、多くの種類のタスクをこなし、人間との関わり合いで成長するAIシステムを開発するには、人気のゲーム「マインクラフト」が最適な環境であると考えている。ルールがシンプルかつ予測可能であることに加えて、プレイヤーたちの協力が得やすいであろうというのがその理由だ。 by Emerging Technology from the arXiv2019.09.05

ゲームプレイから顔認識まで、さまざまな作業でマシン・インテリジェンスは人間をしのぐ働きをしている。

だが、ばつの悪いことに、人工知能(AI)は複数の種類の作業に対処することがまだ苦手だ。AI研究者にとっての次なる大きな目標は、1つの作業で超人的能力を発揮するのではなく、たくさんの種類の作業をうまくこなせるシステムを開発することだ。

フェイスブック・リサーチのアーサー・スラム博士ら研究チームは、人間と対話ができて、要求された広範囲な作業をこなせるAIアシスタントの開発に取り組んでいる。とりわけ、人間との関わりから学び、こなせる作業の幅を広げられるアシスタントを目指す。

目的達成のためにスラム博士らが選んだ舞台は、3Dサンドボックス・ビデオゲームである「マインクラフト」だ。ゲームの中でプレイヤーは、無限に広がるマインクラフトの独自のオンライン世界を探検し、建物を建て、モノを作り、敵と戦うことすらある。

マインクラフトの売上本数は1億7000万本と世界最高であり、毎月9000万人がプレイする人気ゲームとなっている。

マインクラフトのどこがAI研究の役に立つのか。答えは、マインクラフトの世界は無限に種類があるが、ルールは一定の制限の中でシンプルかつ予測可能であるという点にある。AI研究者たちはすでに、マインクラフトでさまざまなAIシステムを訓練し、テストし始めている。

だがスラム博士らは、一歩先を行こうとしている。「1つの困難な作業で超人的能力を発揮するのではなく、もっと簡単で …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. AI crawler wars threaten to make the web more closed for everyone 失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
  3. From COBOL to chaos: Elon Musk, DOGE, and the Evil Housekeeper Problem 米「DOGE暴走」、政府システムの脆弱性浮き彫りに
  4. What a major battery fire means for the future of energy storage 米大規模バッテリー火災、高まる安全性への懸念
  5. A new Microsoft chip could lead to more stable quantum computers マイクロソフト、初の「トポロジカル量子チップ」 安定性に強み
▼Promotion
U35イノベーターと考える 研究者のキャリア戦略 vol.2
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る