家庭内虐待は新しい時代に突入した。
犯罪加害者たちは、最古の犯罪である家庭内虐待に最新のハイテクツールを利用している。フェイスブック・メッセンジャーやアップル・マップといったツールを通じて、被害者にストーカー行為をしているのだ。彼らはストーカーウェア・アプリやアマゾン・アレクサを通じて標的に対するスパイ行為をする。だが、いま、ハッカーと被害者団体が手を組んで、こういった被害に立ち向かおうとしている。
ニューヨーク市政府は2018年から、テクノロジストと、家庭内およびジェンダー関連の暴力を無くすための市長執務室が協力して、予備的な研究に取り組んできた。親しいパートナーからの暴力の被害者に、実効性のあるコンピューター・セキュリティおよびプライバシー・サービスを提供することを目指す研究だ。
コーネル技術大学のサム・ヘヴロンがカリフォルニア州サンタクララで開催されたUSENIXセキュリティ・シンポジウムで8月14日に語ったところによると、同大学とニューヨーク大学の研究チームも参加しているこのプログラムは、すでに初期段階での目的を達成し、拡張を続けているという。
ストーカーが被害者の位置情報の追跡や秘密裏での音声の録音、テキストメッセージの盗み見、違法な監視をするために利用できるアプリは、現在の市場に数百種類も出回っている。
2018年11月以来、ニューヨークを拠点とするテクノロジストたちは44人の被害者と会い、そのうちの23人がスパイウェアやアカウントの情報漏洩、不正利用のための誤 …