ストーカーウェア被害撲滅へ、ニューヨーク市が独自の取り組み
夫婦や交際相手などから受ける虐待に最新のハイテクツールやストーカーウェアが使われているという。ニューヨーク市政府は事態を改善するため、テクノロジストと家庭内暴力の被害者を結びつけるプログラムを実施して成果をあげている。 by Patrick Howell O'Neill2019.09.09
家庭内虐待は新しい時代に突入した。
犯罪加害者たちは、最古の犯罪である家庭内虐待に最新のハイテクツールを利用している。フェイスブック・メッセンジャーやアップル・マップといったツールを通じて、被害者にストーカー行為をしているのだ。彼らはストーカーウェア・アプリやアマゾン・アレクサを通じて標的に対するスパイ行為をする。だが、いま、ハッカーと被害者団体が手を組んで、こういった被害に立ち向かおうとしている。
ニューヨーク市政府は2018年から、テクノロジストと、家庭内およびジェンダー関連の暴力を無くすための市長執務室が協力して、予備的な研究に取り組んできた。親しいパートナーからの暴力の被害者に、実効性のあるコンピューター・セキュリティおよびプライバシー・サービスを提供することを目指す研究だ。
コーネル技術大学のサム・ヘヴロンがカリフォルニア州サンタクララで開催されたUSENIXセキュリティ・シンポジウムで8月14日に語ったところによると、同大学とニューヨーク大学の研究チームも参加しているこのプログラムは、すでに初期段階での目的を達成し、拡張を続けているという。
ストーカーが被害者の位置情報の追跡や秘密裏での音声の録音、テキストメッセージの盗み見、違法な監視をするために利用できるアプリは、現在の市場に数百種類も出回っている。
2018年11月以来、ニューヨークを拠点とするテクノロジストたちは44人の被害者と会い、そのうちの23人がスパイウェアやアカウントの情報漏洩、不正利用のための誤 …
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