電動キックボードのレンタル・サービス企業バード(Bird)は、同社のドックレス型(乗り捨て型)電動キックボードによって、顧客は「電動キックボードに乗るたびに交通渋滞を避け、 二酸化炭素の排出量を減らせます」と豪語している。
バードの競合のライム(Lime)は、電動キックボードは「近距離移動のための自家用車への依存度を下げ、よりクリーンで健康的な地球を次世代に残します」と主張している。
だが、単に電池式のキックボードが排気管から汚染物質を噴出していないからといって、一部の人が考えているような「無公害」または「環境に優しい」乗り物というわけではない。電動キックボードの気候への実際の影響は、どのように製造され、何を置き換え、どれだけ長持ちするかに大きく依存している。
ノースカロライナ州立大学の研究チームは、チームの1人がライム利用時のレシートに「あなたの乗り物は無炭素です」と記されていることに気付いた後、電動キックボードの製造、輸送、充電、回収および廃棄の過程で排出される炭素の量を算出する「ライフサイクル・アセスメント」を実施した。
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Bird Graveyard(@birdgraveyard)がシェアした投稿2019年1月24日午後5時51分(太平洋標準時)
今回の研究では、ドックレス型電動キックボードの1人のユーザーの1マイルあたりの温室効果ガス排出量は、ほとんどの場合、乗客数の多い一般的なディーゼルバス、電動原付バイク、電動自転車、自転車、また当然のことながら徒歩に比べて多いとの結論を出している。
研究チームの論文は、電動キックボードが実際に1マイル(約1.6キロメートル)あたり約200グラムの二酸化炭素を排出し、一般的な自動車が排出する約415グラムに比べて約半分であることを明らかにした。一方で、今回の研究における重要な発見は、ノースカロライナ州ローリー市の電動キックボード利用者を対象にした調査で、電動キックボードがなければ自家用車または相乗りサービスを利用するという人はわずか34%だったことだ。半数近くが自転車または徒歩を選び、11%はバスを利用、7%は単に出かけるのをやめると答えた。
研究は、およそ3分の2の確率で、電動キックボードは代替手段よりも多くの温室効果ガスを生み出していると結論付けている。また、これらの排出量の増加は自動車を利用しないことによる削減量よりも多い、と工学部教授で論文の執筆者の1人であるジェレミア・ジョンソン博士は述べている。
電動キックボードの充電に使われる電力は、電動キックボードの排出量のもっとも小さな要因だ。電動キックボードの排出量の半分は原料と製造工程に起因する。これは、ライムとバードが使っている中国製電動キックボード「シ …