KADOKAWA Technology Review
×
「言葉で学ぶ」が新トレンド? 解説でチェスを習得するAIが登場
Unsplash
人工知能(AI) 無料会員限定
Instead of practicing, this AI mastered chess by reading about it

「言葉で学ぶ」が新トレンド? 解説でチェスを習得するAIが登場

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが、チェスの「高度な」差し手や「愚かな」差し手に対するコメントを利用してチェスを学習するプログラムを開発した。最強のAIプログラムには遠く及ばないが、さまざまな用途に応用できる可能性がある。 by Will Knight2019.08.09

チェスの愛好家らは、ボビー・フィッシャーの見事な捨て駒や、現世界チャンピオンであるマグヌス・カールセンの独創的な攻撃ラインについて議論することをこよなく愛している。人工知能(AI)プログラムにチェスを学ばせる新たな方法として、そうしたおしゃべりが役立つ可能性があることが判明した。同様の手法によって、いつの日か人間の会話の感情的な内容を利用して、機械にさまざまな実務的作業を覚えさせることができるかもしれない。

「センティメイト(SentiMATE)」と呼ばれるこのチェス・アルゴリズムは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームによって開発された。プロ解説者の反応を分析することで、指し手の質を評価する。

同研究チームは、ネット上で入手可能なチェスの試合のコメント2700本の文章を分析した。高度な指し手に関連しないコメントや曖昧すぎる例を取り除いたうえで、特別な種類の再帰型ニューラルネットワークや単語埋め込み(意味に基づいて単語をつなぐ数学的手法)を用いて、別の最新言語分析モデルで訓練した。

構文解析において、AIは最近目覚ましい躍進を遂げている。たとえば、サンフランシスコの非営利研究団体「オープ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
  2. This AI-generated Minecraft may represent the future of real-time video generation AIがリアルタイムで作り出す、驚きのマイクラ風生成動画
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る