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機械学習で古代文字を解読、「線文字B」を自動翻訳
Don Lloyd | Flickr
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Machine learning has been used to automatically translate long-lost languages

機械学習で古代文字を解読、「線文字B」を自動翻訳

マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究者が、古代文字を解読できる機械学習システムを開発し、クレタ島の古代文字である線文字Bを解読させることで、システムの能力を実証した。大規模データベースに頼らずに言語を翻訳する手法を採用しており、今までに解読されていない古代言語を翻訳できるかもしれない。 by Emerging Technology from the arXiv2019.07.04

1886年、英国の考古学者であるアーサー・エヴァンズは、見慣れぬ文字で奇妙な碑文が刻まれた古代の石に出くわした。その石は地中海にあるクレタ島で見つかったもので、エヴァンズはさらなる証拠を探しに、すぐさま島へと向かった。間もなく、似たような文字が記された多数の石と粘土板を発見し、紀元前1400年頃のものであると推定した。

紀元前1400年頃と時代が推定されたことにより、この文字はこれまでに発見された、最も古い書き言葉の形態の1つとなった。エヴァンズは、この線状の文字が芸術の初期段階である粗雑な引っかき傷で描かれた線画に由来することは明らかであり、言語学の歴史における重要性を立証していると主張した。

エヴァンズや他の学者たちは後に、これらの石や粘土板が2つの異なる文字で書かれていると断定した。より古い方の文字は線文字Aと呼ばれ、紀元前1800年から1400年に使用されていたものと推定されている。この時代、クレタ島では青銅器文明であるミノア文明が栄えていた。

もう一方の文字は線文字Bで、線文字Aよりも新しく、紀元前1400年以降に現れたものだ。この時代、クレタ島はギリシャ本土から来たミケーネ人により征服されていた。

エヴァンズと他の学者たちは、何年もの間、これらの古代文字を解読しようとした。しかし、この失われた言語を前に、全ての試みが失敗に終わった。そして1953年になって初めて、アマチュアの言語学者であるマイケル・ヴェントリスが線文字Bの解読に成功した。

ヴェントリスは2つの決定的なブレークスルーにより線文字Bの解読へとこぎつけた。ヴェントリスはまず、線文字Bの単語のうち、繰り返し使われているものの多くがクレタ島の場所の名前だと推測した。実際、この推測は正しいことが判明した。

ヴェントリスの2つ目のブレークスルーは、この文字が古代ギリシャ語の初期の形態を記録したものであると考えたことだ。こう考えることで、ヴェントリスはすぐに線文字Bの残りの文字の意味を解読できた。ヴェントリスは解読の過程で、古代ギリシャ語がそれ以前に考えられていたよりも何世紀も前から、書き言葉の形態で使用されていたことを明らかにした。

ヴェントリスによる線文字Bの解読は大きな功績となった。しかし、さらに古い文字である線文字Aは、今日でも言語学における未解決の難問の1つである。

最近の機械翻訳の進歩が解読の助けとなるかもしれないことは想像に難くない。ここ数年で、巨大な注釈つきデータベースが利用できるようになったことや、そのデータベースを使って機械に学習させる技術により、言語学の研究に大きな変革がもたらされた。その結果、ある言語から別の言語への機械翻訳は、ある程度決 …

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